研究によって広がる世界
システム情報科学専攻 システム融合学講座
知能ロボットシステム研究室 修士課程1年
江間 章斗 (神奈川県横浜市出身、2016年度入学)
私たちの研究室ではヒューマノイドロボット,無人航空機,脳外科手術シミュレータ,ヒューマンコンピュータインターフェースの四つのテーマでそれぞれグループ毎に研究しています.四つのテーマはどれも独立して見えるかもしれませんが,設計を行うモデリング技術や物の動きを解析する動力学解析,そして様々な要素をまとめるシステム統合技術が共通しています.
私自身は脳外科手術シミュレータのグループに所属しており,ブレインシフトと呼ばれる現象の動力学解析が研究テーマです.ブレインシフトとは,実際の脳外科手術の流れとして頭蓋骨を開け脳髄液を取り出し脳へ手術を行うのですが,脳は脳髄液によって浮いている状態にあるため,脳髄液を取り出すことによって脳が自重で潰れてしまう現象のことをいいます.このブレインシフトによって手術を行う部位が手術前と手術中で異なってしまう問題が起きており,私はその対策となる研究を行っています.この研究は脳外科手術の危険性を減らすことやロボット手術の安全性にも繋がる研究であり,人命にかかわる重要な研究であると感じています.また研究分野も情報系から工学,そして医学といった複数の分野へ広がっていきました.そしてゼミでもグループ毎の週一回のゼミと月一回の四つのグループ合同のゼミが行われ,自身の研究だけではなく様々な研究について議論を行っています.
また私たちの研究室では学部生でも積極的に学会に参加させてもらえ,発表する経験だけでなく他の研究について知ることもできます.さらに脳外科手術シミュレータのグループでは他の大学の研究機関とも共同して研究しており,北大に招く場合や他大学に訪問して研究することもありました.また学会の発表だけではなく子供から大人まで参加するような教育的な科学イベントにも参加もしています.このように研究を中心に様々な場所で様々な人と関わりながら,充実した研究生活を過ごしています.