HOME > 教育活動・学務情報 > 学生コラム「ISTラウンジ」 > ISTラウンジ52

学生コラム「ISTラウンジ」

本研究科在学生のコラムです。日頃の学生生活の中で感じたことや考えたことなど,さまざまな話題をお届けします。

磁気共鳴を用いたがんイメージング

Pic:中岡 梨々子さん

生命人間情報科学専攻
バイオエンジニアリング講座
磁気共鳴工学研究室
修士課程1年
中岡 梨々子
(山口県防府市出身、2017年度入学)

私たちの研究室では、電子常磁性共鳴(EPR)を用いてがん組織の生物学的情報を可視化する手法を開発しています。EPRイメージングでは、不対電子が吸収する電磁波を計測することにより、がん組織における酸素分圧やpHの分布を可視化することができます。この方法の原理は、病院で診断に用いられている核磁気共鳴画像法(MRI)と類似しています。MRIでは水素原子核を検出しており体の中の構造を綺麗に撮像できるため、悪性腫瘍の形状や位置を細かく特定することができます。

私は、EPRイメージング装置の中で、高周波領域で共振を起こして信号を増幅させる共振器を開発しています。感度の高い共振器を開発することで、EPRイメージングの画像の精度が改善し、がん組織の情報をより詳しく可視化することができます。最も感度が高くなる共振器の最適設計法を構築することが私の現在の研究課題です。

悪性腫瘍内では血液が十分に届かず低酸素状態となる領域があります。このような低酸素領域では、放射線を用いた治療の効果が低下します。そのため、酸素分圧に応じて放射線を照射することにより、放射線治療の効果を改善できるのではないかと期待しています。このように、MRIで得られる悪性腫瘍の形状や位置の情報と、EPRイメージングで得られる酸素分圧やpHの情報を組み合せることにより、がんの治療に関わる技術が一層進展すると考えられます。

研究室における学生生活では、週1回の頻度でゼミがあり、それぞれの研究進捗や他の研究グループによる論文を紹介する機会があります。研究や発表について、先生方から手厚くご指導していただけるので、研究者として大きく成長できると感じています。また、研究室では季節ごとに飲み会をしたり、研究室旅行があったりと、研究以外での楽しみもあります。こういった息抜きも大切にしながら、充実した研究生活を楽しんでいます。

(2018/03/13)

図1:研究室の集合写真
図1:研究室の集合写真

ページの先頭へ