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ネットジャーナル6

コンピュータ内の地球で進化する人工生命体「アニボット」

古川 2つ目のプロジェクトは「アニボット(Anibot/Animation Robotの略)」です。私はもともと3次元CADやインテリジェントCADの研究に携わってきた経緯があり、そこに人工生命技術とエージェント技術、学習理論を組み合わせてアニボットという技術の開発を始めました。これは、コンピュータの中に現実の世界と同じ物理法則を持つ空間をつくり、そこに人工生命(ロボット)を置くと、それ自身が動き方を学習し進化していくものです(図1)(図2)。環境となる空間には重力や水・空気の抵抗などが再現され、センサ・アクチュエータ・意思決定機能などを持ったロボットが周囲の環境を認識しながら遺伝的アルゴリズム(GA)に従って学習・進化していきます。従来のアニメーションは、アニメーターが一つひとつの動きを決定し、絵に描いたりコンピュータにプログラムして描画していきますが、アニボットはキャラクター自身が自らの動き方を決定します。アニメーターは「ここから向こうへ歩いて移動する」というような指示を与えればよいだけなのです。将来的には、プログラムの技術を持たなくてもコンピュータの中の世界に好きなキャラクターを置いてやれば、それ自身が自律的に動いてストーリーを展開していくようなソフトウェアを開発したいと考えています。

(図1)アニボットの基本的な動き

>>MP4形式(463kB)

(図2)キャラクターの進化

>>MP4形式(1.5MB

地球の物理法則に則った空間に、球対や立方体をある高さから落下させる。落下した物体は重力や材質の特性に応じて「転がる」「はねる」などの動きを物理法則に従って自動生成される。

図1と同じ物理法則を持つ空間にワニのような形態をしたモデルを置いてみる。最初は不規則に四肢を動かすだけだが、遺伝的アルゴリズムに従って学習を繰り返しながら次第に歩き方を覚えていく。このモデルでは、およそ100世代程度の進化で普通に歩けるようになる。

――エンタテインメント分野だけでなく、さまざまな分野での応用が期待できますね。

古川 現在は、重力や水・空気の抵抗など地球の物理法則と同じ環境をベースにしていますが、環境の設定を変えれば多様な物理法則のもとでのシミュレーションも可能になると思います。この分野に携わっている学生たちも意欲的に研究を進めています。

古川 正志教授

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