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ネットジャーナル7

遺伝子の違いから進化の過程を推測

――そのような状況の中、小柳先生の研究室ではどのような研究に取り組んでいるのですか。

小柳 香奈子准教授

小柳 私が所属しているのは生命人間情報科学専攻のゲノム情報科学研究室で、「進化」という観点からゲノムをとらえ、ゲノムと表現型(病気や身体の特性など)の関連や生物多様性を理解することを目的としています。さらに、ゲノム研究に有用なツールの開発なども行っています。

「進化」の観点からゲノムをとらえるというのは、様々な生物のゲノムを比較し、類似性や違いがそれぞれの生物の進化にどのような影響をもたらしているかを解明することです。例えばある遺伝子についてヒトとチンパンジーで塩基配列の違っている箇所があるとすると、その違いはいつ頃発生したのか、それがヒトとチンパンジーの表現型にどのように影響しているのかを推測します。

また、同じ種類の生き物でも世代を重ねるごとに受け継がれる遺伝子が少しずつ変わっていきます。変わることにより環境の変化や生存競争の中で生き残る能力を高めてきたと考えられるので、過去と現代の生物の遺伝子を比較すれば、どの遺伝子が環境適応力の強化に役立っているかを発見することができるでしょう。このように生物の遺伝子を比較することで、進化の過程を解明する手がかりが得られるのです。ゲノムデータベース(解説1)などに登録されているゲノム情報を使って統計的に解析していきますが、まだ登録されていない遺伝子を比較する場合には、研究室内のシーケンサー(塩基配列の自動読み取り機)を使ってサンプルの塩基配列を決定することもあります。

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