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ネットジャーナル11

ZDDが実現したスマートグリッドの最適化

――実際にZDDを使って計算した例はありますか。

湊 私たちが手がけたものでは、電力網の配電経路の最適化問題がその好例です。図4は実際の配電網をモデル化したもので、4つの変電所を中心に、電線に接続された一般家庭などに電力を供給する様子を表しています。配電網の最適化には、電線各所に配置されているスイッチのオン/オフで電力の供給ルートをコントロールし、最もロスの少ない配電経路を見つけることが必要ですが、電線には合計468ヵ所のスイッチがあり、その組み合わせ総数は2468(2の468乗)通り、つまり10の140乗に達します。これらを完全に調べ尽くして、真に最適な経路を現実的な時間内に見つけるのは不可能と思われていました。

そこで私たちはZDDを使って諸条件を満たす経路の抽出を試み、わずか10分程度ですべての可能な組み合わせから停電を起こさない正しい組み合わせを抽出し、その中から最適な経路を探し出すことに成功しました。我々が抽出した組み合わせの総数は10の63乗通りという凄まじい数ですが、ZDDで圧縮されてCD-ROM 1枚に納まるくらいのデータ量になりました。この試みの成功は、電力の流れを供給側と需要側両方か効率的に管理する「スマートグリッド」の実現に大きく貢献できると考えられます。

湊 真一教授

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