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ネットジャーナル16

労力を軽減し学習効果を高めるクラウドソーシングの活用

――機械学習はどのように行うのですか。

博士(工学)山本 学 准教授

小山 機械学習は、最初に「こういう場合はこう判断しなさい」といういくつかの例題を示して、そこから学習していくのが一般的です。訓練用のデータを与えるのは人間の手で行わなくてはならないのです。じつは、それが今までの最大の難点でした。訓練データを作って与える人間が研究者自身やその協力者、学生のアルバイトやボランティアなどに限られ、労力やコストが負担になっていたのです。

今、その部分を効率化し、しかも豊富な訓練データを入手する方法として「クラウドソーシング」が注目されています。インターネットを通じて不特定多数の人にデータ分類などの簡単なタスクを依頼するものです。アメリカではamazonなどが仲介者となってクラウドソーシングが普及しつつあり、日本でも同様のサービスが始まっています。報酬を支払ったり、ゲーム感覚で参加してもらうなど多様なスタイルがありますが、今までとは桁違いの量のデータが収集でき、研究者の労力を軽減するだけでなく機械学習を用いたソフトウェアの開発スピードと精度の向上も期待できます。(解説2

これまでの人工知能研究では、人間の手を一切借りずに、すべて自動で行うことができる機械をつくることが最終目標のように考えられてきました。しかし、近年はコンピュータよりも人間が得意な問題では、人間の手を借りる方が早く、しかも効果が高いという認識も生まれています。人間と機械の得意な部分をうまく組み合わせることで、全体として精度の高いシステムを作る。人間と機械が補い合う「ヒューマンコンピュテーション」はこれからの主流になっていくと考えられ、私にとっても非常に興味深い分野です。

(2012/12/11)

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