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ネットジャーナル18

電荷からスピンへと進化するエレクトロニクス分野
スピントロニクスデバイスの研究で世界をリード

写真:理学博士 山本 眞史 教授

情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 
先端エレクトロニクス講座 ナノ電子デバイス学研究室・教授
理学博士 山本 眞史

プロフィール

1978年、北海道大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。同年より日本電信電話公社(1985年より日本電信電話株式会社)の研究所(武蔵野電気通信研究所、LSI研究所、システムエレクトロニクス研究所)において、ジョセフソントンネル接合デバイス、量子効果デバイス、共鳴トンネルダイオードを用いた超高速電子デバイスの研究開発に従事。2000年に北海道大学大学院工学研究科教授に就任、2004年から大学院情報科学研究科教授。現在の研究分野はスピントロニクスデバイスおよびスピントロニクス材料。応用物理学会フェロー。

革新技術として注目を集めるスピントロニクス

――スピントロニクスとはどのような技術ですか。

山本 従来のエレクトロニクスは、電子の「電荷」のみを制御し、電荷の有無で「0/1」を表してきました。スピントロニクスは、電荷に加えて、電子が持つ「スピン」を活用する新しいエレクトロニクスです。

電子にはスピン(解説1)という量子力学的な特性があります。また、電子のスピンは磁石に代表される物質の強磁性に深く関わっています。強磁性体にはヒステリシス特性があり、このため、強磁性電極を用いるスピントロニクスデバイスは、基本的に、電源をオフにしても状態を保持する不揮発の特性を持っています。このため、スピントロニクスデバイスによって、不揮発性のメモリやトランジスタ、あるいは論理回路を構成することができます。さらに、論理機能可変型の不揮発の論理回路も構成することが可能です。これらの特徴によって、スピントロニクスは従来のエレクトロニクスにない優れた性能と機能を有する新しいエレクトロニクスとして大きな注目を集めています。

スピンは上向きと下向きの2つの自由度を持っています。半導体デバイスで用いられているシリコンは非磁性体です。このため、シリコンのチャネルを流れる電子については、上向きスピンをもつ電子の数と、下向きスピンをもつ電子の数が等しくなっており、スピンが表に現れることはありません。スピントロニクスでは、上向きスピンと下向きスピンの数の異なる(スピン偏極している)電子を用いることを大きな特徴としています。

私たちの研究室では、「ハーフメタル(解説2)」というスピンの向きが100%揃ったスピントロニクス材料と、ハーフメタルを用いたスピントロニクスデバイスの研究に取り組んでいます。

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