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ネットジャーナル21

複数の電源と蓄電池を組み合わせた電力システムの実証研究

――具体的な取り組みとしてはどのようなものがありますか。

博士(工学) 原 亮一 准教授

原 まずひとつは、大規模太陽光発電(メガソーラー)と蓄電池と組み合わせることで出力の安定性を向上すると同時に、系統電源との協調性をいかに図るかを検証するプロジェクトがあります。現在、電力会社では一日の電力の消費量を予測し、過不足なく供給できるよう細かく出力調整を行っています。メガソーラーは火力・水力・原子力に続く新しい電源として期待されていますが、天候により発電量に大きなバラつきが出るようでは系統電源と同じように使うことはできません。そこで、メガソーラーに蓄電池を接続し、発電量が足りない時間帯を蓄電池で補うことで出力のバラつきを抑える方法を研究しています。2006年度から2010年度にNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施した「大規模太陽光発電系統安定化等実証研究」(解説1)では、稚内に5,000キロワットのメガソーラーを導入し、さらに蓄電池を併設して発電量の安定化や系統電源との協調を図るための技術を検証しました。その結果、蓄電池を使うことで出力のバラつきを90%程度抑えられることがわかりました。

さらに2012年度からは、道内2箇所のメガソーラー、3箇所の風力発電サイト(ウインドファーム)、士幌町に設置したバイオガス発電および稚内市に設置した3種類の蓄電池(NAS電池、リチウムイオン電池、ウルトラキャパシタ)を情報ネットワークで連携し組み合わせる実証実験を進めています(解説2)。稚内と伊達にあるメガソーラーと稚内・苫前・瀬棚の3箇所にある風力発電サイトの発電量をリアルタイムで計測するとともに、気象予報に基づいて発電量を予測し、バイオガス発電と蓄電池による出力安定化をねらっています。また、地理的に離れた複数地点を対象とした場合の出力変動や出力予測誤差のならし効果についても検証しています。3種類の蓄電池はそれぞれ異なった特徴を持っているので、よりシンプルな構成で,より安価なコストで目的を達成できるよう蓄電池の使い分けや効率的な使い方も検討しているところです。

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