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ネットジャーナル21

小規模電力ネットワークを形成する直流マイクログリッドの実証研究

――他にはどのようなものがありますか。

博士(工学) 原 亮一 准教授

原 もうひとつは、「直流マイクログリッドのエネルギーマネジメントシステムの実証研究」(解説3)です。マイクログリッドとは小規模電力系統という意味で、エネルギー供給源と消費施設をもつ小規模なエネルギー・ ネットワークのことです。具体的には、敷地内にRE電源や小型の発電機、蓄電池を配置し、発電・輸送・消費のサイクルを同敷地内で自前でまかなうものです。このようなアイデアはすでに他所でも検討されていますが、今回のプロジェクトで最も特徴的なのは、建物への電力供給を直流で行うことにあります。電力会社から供給されている電気は交流ですが、太陽光発電や蓄電池は直流で動作します。また、家電機器・オフィス機器についても、交流の電気を直流に変換して使用するものも多くあります。したがってマイクログリッドのように電源と家電・オフィス機器が同じ建物内にあるのなら、直流でダイレクトにつないだほうが変換の手間もなく、変換時に発生する損失も少なくなると考えられます。本プロジェクトでは照明やパソコンなどの電子機器も直流で受けることができるような特別仕様のものを用意し、直流で供給することでどの程度の損失改善効果があるかを検証する予定です。

再生可能エネルギーは現時点では導入コストが高く、経済性・信頼性・環境性などさまざまな側面からの検討が必要です。電気を作る側や使う側がそれぞれ何を優先し、どれだけのコストをかけて、どんなシステムを選択するのか、その議論のベースとなるデータも足りません。私たちの研究がこれからのエネルギー問題を考える上での一つの手がかりとなり、より良いインフラの構築に役立つことを期待しています。

(2013/06/25)

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