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ネットジャーナル23

宇宙工学からコンピュータサイエンスへ
インフラとして社会を支える賢いシステムを求めて

写真:博士(工学)杉本 雅則 教授

情報科学研究科 コンピュータサイエンス専攻 
数理計算科学講座 知能情報学研究室・教授
博士(工学) 杉本 雅則

プロフィール

1990年東京大学工学部航空学科(宇宙工学専修)卒業。1992年同大学院工学系研究科修士課程修了。1995年同大学院工学系研究科博士課程修了(博士:工学)。1995年4月より文部省大学共同利用機関学術情報センター (現国立情報学研究所)研究開発部助手。1999年8月より東京大学 情報基盤センター助教授。2002年4月より東京大学 大学院新領域創成科学研究科 基盤情報学専攻助教授となり、工学部 電子情報工学科を兼担。2008年4月より東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻准教授。2012年10月より北海道大学 大学院情報科学研究科 コンピュータサイエンス専攻教授となり、工学部 情報エレクトロニクス学科 コンピュータサイエンスコースを兼担。

人とコンピュータのインタラクションを実世界で検証

――先生の研究テーマは非常に幅広いのですが、どのような特徴があるのですか。

杉本 子どもの頃から宇宙が好きで、将来は宇宙飛行士になりたいと思っていました。大学でも宇宙工学を学びましたが、大学院に進むとき、宇宙で役立つ優れたシステムを作るには優れた人工知能(AI)だと考え、そちらの研究を選びました。その後、文部省大学共同利用機関学術情報センター(現国立情報学研究所)を皮切りにさまざまな研究現場を経験し、多くの研究者と知り合うことができました。

こうした中から中心的な研究分野として取り組んできたのが「実世界メディア処理技術」です。現代はさまざまなメディアが使われていますが、画像、音声、言語だけでなくロボットもまた人とコミュニケーションするための一つのメディアと考えることができ、人間とロボットのインタフェースをどのように構築するかといったことも研究しています。

現在、私たちの研究室には大きく4つのテーマがあります。(1)ヒューマンコンピュータインタラクション (2)コンピュータビジョン・コンピュータアニメーション (3)測距・測位技術 (4)音響イメージングの4つで、さらにそれぞれの分野から派生した多くの研究プロジェクトがあります。詳しくはホームページ(http://aiwww.main.ist.hokudai.ac.jp/index.html)をご覧ください。2012年10月に本研究科に着任し、北大という新しい環境で新しいコラボレーションを生みだしていきたいと考えています。

――具体的にはどのようなことをやっているのですか。

杉本 ヒューマンコンピュータインタラクションの研究では、プログラミングの知識や経験が乏しいユーザでもテーブルトップ環境で簡単にロボットプログラミングが行える新しい手法を開発しました。主に教育現場での利用を想定しています(解説1)。プログラミング言語を知らなくても、テーブルの上で実際にロボットを掴んで動かしたり、ロボットの周囲に表示されるアイコンを指で触れたりするなどの直感的な操作で、ロボットのプログラミングを行うことができます。これまで、タッチパネルやTUI(Tangible User Interface:実体を持つデバイスに物理的に触れることにより、操作を直感的に知覚できるインタフェース)などの初心者向けプログラミング手法はいくつか提案されていますが、単純な動きのプログラミングにとどまっています。一方、提案手法ではたとえば交通シミュレーションのような問題をテーブルトップ上に表現し、ロボットが周囲の環境に応じて行動を決めるといったプログラミングを簡単に行うことができます。物理的なロボットを活用したこのようなシミュレーションプラットフォームの提案はほとんど存在していません。

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