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ネットジャーナル24

解説

解説1:量子鍵配付

QKDで暗号鍵を作るには量子通信と鍵蒸留の2つのプロセスが必要になる。前者では光子の量子状態で表現された乱数ビット(鍵)が伝送され、後者で安全性が保証された最終鍵が生成される。QKDに対する盗聴は図に示すように行われる。送信者(Alice)は乱数列を単一光子の状態にエンコードして量子通信路を通して受信者(Bob)に送る。盗聴者(Eve)は送られている光子の状態を知るために量子通信路の中の光子の状態をコピーして二つにし、一つのコピーの状態を測定し,もう一つをBobに渡す。ところが、量子力学の法則により完全なコピーは作れないので、Eveのコピーの質が高いほど、Bobが受け取るコピーの状態が崩れてしまう。これは、Bobの受信結果にエラーが増えることを意味している。このことを逆に使うと量子通信のエラー率から盗聴の度合いを推定できる。そこで鍵蒸留ではそれに見合った分だけ鍵の一部をランダムに捨て、盗聴者が持っている状態が無情報の状態と区別できないようにする。

量子通信を使わなくとも情報理論的に安全な乱数の共有は可能だが、盗聴者の能力を限定する必要がある。QKDではそのような仮定は不要で、非直交状態の完全な測定ができない(完全なコピーが作れない)という量子力学の法則が盗聴者の能力に限界を与えている。

図:量子暗号鍵配付(QKD)の役割
図:量子暗号鍵配付(QKD)の役割

図:量子暗号の物理的背景
図:量子暗号の物理的背景

図:量子暗号鍵配付(QKD)
図:量子暗号鍵配付(QKD)

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解説2:東京QKDネットワーク

NICT、日本電気株式会社(NEC)、三菱電機株式会社、日本電信電話株式会社(NTT)がNICTの運用する研究開発ネットワーク上の4つの拠点に量子鍵配送装置を設置。10kmから最長90kmまで複数の回線パターンからなる量子暗号ネットワークを構築し、盗聴攻撃の検知実験および完全秘匿な多地点テレビ会議システムの試験運用を行った。これは量子暗号を用いた画像伝送を大都市圏(50km圏)敷設ファイバで実現した世界初の例となる。また併せて国際標準化に向け東芝ヨーロッパ研究所(TREL)や他のヨーロッパの研究機関(IDQ、All Vienna)のシステムとの相互接続実験も行った。

図:東京QKDネットワーク
図:東京QKDネットワーク

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