HOME > 研究活動・産学官連携 > ネットジャーナル > ネットジャーナル25

ネットジャーナル25

細胞の「個性」を特定する計測手法の開発

――細胞に個性があるというのは、どういうことでしょうか。

博士(理学) 岡嶋 孝治 教授

岡嶋 同じ培地で培養した細胞でも、分裂・増殖する過程で大きさや粘弾性にばらつきが出ます。このばらつきを、私たちは「個性」と呼んでいます。個性が環境に適応するためのバリエーションの一種だとすると、これ以上ばらつきが大きくなると細胞が生きられなくなる限界があるはずです。したがって、細胞の「個性」を測定するということは、生物と非生物の境界を探索していることに相当していると言えます。その境界に、生命の重要な基本情報が隠れていると考えています。このような細胞力学特性のばらつきに関する研究は、これまでほとんど行われていませんでしたが、現在は、細胞の「個性」に興味をもつ海外の研究グループと共同研究も行っています。

細胞の「力」で、重要な構造の1つが細胞骨格です。細胞はタンパク質でできた細胞骨格によって形状や硬さが決まりますが、細胞骨格が形づくられる原理は何か、また、その構造の違いがどのように生まれるのか、実は良く分かっていません。私たちは、細胞骨格を介した細胞内での力の伝搬を計測する手法(解説2)を開発し、細胞核などの変位や形状変化を引き起こす力を調べています。

また、細胞骨格は、細胞膜とも直接結合していていることが知られています。私たちは、細胞膜のナノスケールの揺らぎを直接測ることができるイオンコンダクタンス顕微鏡法を開発していて(解説3)、細胞骨格と細胞膜との物理的な相互作用を明らかにしようとしています。

ページの先頭へ