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ネットジャーナル29

デジタル画像データを統計的に処理し
欠損・劣化のある画像を鮮明化

――最近の研究成果にはどのようなものがありますか。

博士(工学)鈴木 恵二 教授

今井 多変量解析が対象としているものは幅広く、世の中にあるものはだいたい扱えると言ってもいいほどです。例えば、デジタル画像のデータも多変量解析の対象となります。デジタル画像は、画素数256×256=65,536で、画素の濃度は256階調に量子化されています。このようなデータは多変量データと考えることができ、画像の拡大や修復、色の補正、ピンボケの修正などが多変量解析の手法を使って行うことができます(解説1)。

コンピュータは修復前のオリジナル画像を知っているわけではありませんから、数学的に推測して復元します。多変量解析を使って復元する方法にもいくつか種類があり、その中から一番いいものを統計手法で選び出していきます。

画像認識は、統計の中の大きな研究テーマのひとつでもあります。画像認識には、画像の一部が欠損していたり、逆に余計な雑物が混じっていたりしても間違いなく強靱(ロバスト)な認識ができるよう設計することが求められています。私たちの研究では、画像の中の異物が全体に影響しないような手法を組み立て、より鮮明かつ正確に復元する技術を追求しています。

――先生の研究の独自性・優位性はどのような点ですか。

今井 前述の多変量データ解析の手法には「これ以上精度が上がらない」という限界があります。画像認識や復元にもこれ以上良くならないという限度があるのです。私たちの研究室では、それをきちんと把握し、切り分けて考えるようにしています。何にでも使えるオールマイティな方法はなく、データの精度や仮定の条件が整っていなければ正しい近似値が出せない場合もあります。そういう意味では、「ここまでは多変量データ解析でうまくいくが、これ以上は無理」という限界を理論的に明らかにすることが必要だと考えています。

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