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ネットジャーナル34

プロセッサの電力消費を劇的に削減する限定的動的再構成アクセラレータ

――他にはどのような研究成果がありますか。

博士(工学)本村 教授本村 もう一つは、プロセッサそのものの低電力化を実現する技術開発です。汎用のプロセッサを使うことで生じる無駄や非効率を解消し、消費電力の削減を目指すものです。前述したように、ハードウェアをあらかじめカスタム化すれば処理の負荷は減るものの、カスタム化しすぎると用途が限定されてしまうというジレンマがあります。これに対し、プログラムの実行中に回路構成を書き換えることができる「動的再構成(ダイナミックリコンフィギュラル)ハードウェア」という技術がありますが、回路を切り替える際に充放電電流が生じるため、消費電力をいかに抑えるかが重要になってきます。

本研究では、データに依存せず固定的に処理できる部分と、データの流れに応じて回路を動的に再構成する部分をあらかじめ切り分け、動的再構成する部分を限定することで柔軟性と電力効率の両立を実現する「限定的動的再構成アクセラレータ」を開発しました(解説2)。試作LSIでの評価では、従来の7割以上の消費電力の削減を達成することができ、今後の応用展開に期待が持てます。

――エネルギー問題や環境問題が取りざたされている中、非常にインパクトのある技術ですが、実用化の予定などはありますか。

本村 Memcachedについては、試作機で評価できるレベルまで達しています。今後は国際会議などで積極的にアピールし、企業との連携を図っていこうと考えています。プロセッサの限定的動的再構成アーキテクチャについては、アーキテクチャと並行してソフトウェアをつくる環境も整えていかなくてはならないので、もう少し時間がかかると思います。現在、そのあたりの進め方を模索しているところです。

2020年にはムーアの法則の終焉によって情報機器の性能向上・電力低減の面で大きな壁が立ちはだかると言われており、その後の社会の発展には情報処理方式の技術革新が必要になると考えられます。私たちの研究は、その技術革新の方向性を指し示す技術のひとつとして、今後ますます重要になってくるだろうと考えています。

(2014/10/27)

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