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ネットジャーナル37

気球を使った災害に強い情報配信システムと
救助・復興を支援する「がれき工学」の創成

写真:博士(工学)栗原 正仁 教授

情報科学研究科 システム情報科学専攻 
システム創成学講座 システム環境情報学研究室・教授
博士(工学) 小野里 雅彦

プロフィール

1983年、東京大学工学部精密機械工学科卒業。1985年、同大学院工学系研究科精密機械工学専攻修士課程修了。1985年より同工学部助手、1993年に博士(工学・東京大学)。1994年、大阪大学工学部電子制御機械工学科助教授。1997年、同大学院工学研究科電子制御機械工学専攻助教授。2003年、北海道大学 学院工学研究科システム情報工学専攻教授。2004年より同大学院情報科学研究科システム情報科学専攻教授。

物理世界と仮想世界をつなぐ新しい知識活動支援の枠組み

――システム環境情報学とはどのような学問ですか。

小野里 「環境」というと自然環境やエコロジーなどを思い浮かべるのではないかと思いますが、当研究室が扱う環境とは、私たちを取り巻く物理的な世界とコンピュータを中心とした仮想的な世界を指し、この2つを結びつけることで新しい生活の仕方や仕事の仕組みを作る、あるいは活動するための場を作ることが主な方向性です。

近年特に大きな変化を見せているのがサイバーフィールドです。これまでコンピュータ上に構築する仮想フィールドは、人間が実フィールドを観察・認識し、そこから得た情報を人間の手で入力することにより仮想モデルを構築していました。実フィールドに変化が起きた場合も人間が修正を加えなければ仮想フィールドに反映させることができません。しかし、最近は実フィールドに設置された各種のセンサやクラウドなどから直接に実データを得ることができ、実フィールドで起きている変化を時々刻々と自動的に仮想フィールドに反映させることが可能になっています。逆に、仮想フィールド内のモデルを変えることで実フィールドでの振る舞い(交通信号の点滅の間隔、工場の機械の動き方など)を操作することもできるようになりました。 そこでの人間は、実と仮想のフィールドをつなぐ主体的な存在ではなく、双方の接点で実フィールドを観測したり、仮想フィールドを利用したりするユーザの立場にシフトしつつあります。人間と機械の関与の仕方はここ数年急激に変化しており、その勢いは産業革命並みといえます。

博士(工学)本村 教授

このような大きなトレンドの中で、科学技術の進展にともない知のフロンティアは急速に拡大して開拓されています。それで「明日の世界は今日の世界より広い」と素朴に考えがちですが、現実には技術の発展から抜け落ちたり取り残されたりしている領域があり、そこに深刻な問題が存在している場合があります。そのひとつが災害時における被災地への情報伝達システムです。

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