HOME > 研究活動・産学官連携 > ネットジャーナル > ネットジャーナル38

ネットジャーナル38

筋肉の動きを測定し、動作の「質」の解明に迫る

――これらの研究は今後どのような分野へ展開するのですか。

博士(理学) 原口 誠 教授

原口 次のステップとして考えているのは「スキルの学習」です。運動機能をデータとして収集して動きのパターンを検出するプログラムで、スポーツや楽器の演奏などの上手下手の違いを解明したり、上手くなるためのスキルの習得を目指したものです。筋電センサという筋肉の活動電位を測定・記録する装置で筋肉の動きの時系列データを取り、上手い人に共通するもの(類似性)と下手な人との違い(差異)を検出します。ただデータを表示するだけではなく、それを人の動作という抽象度の高い記述に変換する手法の開発がポイントになります。

体の動きというのは言語化しにくいものであり、個人差や育った環境などによっても上手下手の具合が異なってきます。テキストデータにおけるコンテクストよりさらに曖昧で微妙な部分が多く、そう簡単に「上手くなる方法」が見つかるわけではありません。しかし、こうした研究を通じて本人さえ気づいていないようなことが発見できれば嬉しいですね。

情報技術の発展によりWebの世界には膨大なデータが蓄積されています。それらを効率よく活用し、私たちにとって有益な知識を高速にピンポイントで発見する。比較的に安価な観測機器がネットワークに接続されつつある現状を考えれば、動作データも今後急速に蓄積され、データの単なる再現・視覚化のみならず、データ活用法そのものに多くの可能性が広がってくると思います。

(2015/03/02)

ページの先頭へ