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ネットジャーナル39

ReRAMにおけるフィラメント観察に成功

――具体的な研究事例はどんなものがありますか。

博士(理学) 有田 正志 准教授

有田 TEMその場観察による成果としてあげられるのは、「Cu/MoOx抵抗変化型メモリにおけるフィラメント観察とその分析(解説2)」です。ReRAMの動作原理にはいくつかの種類があり、その中のひとつにフィラメントモデルと呼ばれるものがあります。電圧をかけることによって銅イオンが移動し、細いフィラメントとして析出すると考えられているのですが、このことを実験的に明確にした報告例はありません。私たちは、TEMその場観察の技術を使って、ReRAM中のフィラメント形成過程をリアルタイムに観察することに成功しました。

フィラメントがどのくらいのスピードでどのように動いているかを実際に目にすることができたのは非常に大きな成果と言えます。

ただ、今回の実験では今まで考えられていた原理とは異なる現象も見られ、そのメカニズムは解明されていません。フィラメントの素材にはさまざまな種類があり、私たちが採用した素材に特有の現象なのか、一般性があるものなのかもよく分かっていません。それらは今後の研究テーマとなっています。

――これらの成果はどのように活用されるのでしょうか。

博士(理学) 有田 正志 准教授

有田 ReRAMが信頼のおける製品として普及していくためには、原理やメカニズムをきちんと解明することが重要です。それは「どうやったら壊れるか」を調べることでもあります。上手く動いたから製品化できるということではなく、何年保つのか、壊れる原因は何か、そういうことを全部調べ上げて初めて商品として世に送り出すことができるのです。

本研究室では、製品の寿命を検証する加速劣化試験についても研究しており、ReRAMの加速試験に必要な条件や劣化のメカニズムの解明に取り組んでいます。

また、電気抵抗の変化を活用したスイッチの原理が解明されれば、ReRAM以外にもさまざまなデバイスが開発できるのではないかと考えています。

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