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ネットジャーナル39

エネルギー問題を解決する夢の技術を目指して

――ReRAM以外のデバイスの可能性とはどのようなものですか。

有田 エレクトロマイグレーション(EM)によるナノ構造を作成し、デバイスに応用しようという研究です(解説3)。EMとは、電流によって熱的に励起された原子が電流中の電子に衝突されて移動する現象のことです。この現象はLSIの配線などの断線原因となることから、EMを制御する技術の研究がなされていますが、逆に断線過程を上手くコントロールすれば微細な電極を作ることが可能になります。先ほどお話したReRAMなどと組み合わせると、現在使われている電極の1000分の1程度の電力で動作するデバイスが作れるのではないかと考えられ、エネルギー問題の解決にもつながる画期的な技術になると期待しています。

――研究室の学生にはどのようなことを学んでほしいと考えていますか。

博士(理学) 原口 誠 教授

有田 先ほども言いましたが、TEMやホルダーなどの実験装置は、そのほとんどを自作しています。既製品のホルダーもあるのですが、用途や機能が限られていることが多く、多種多様な実験を行うには不便です。基本構造は同じでもその時々によってやりたいことが異なり、多様な条件下での現象を観察するためには、ホルダーなどの道具は自分たちの手で製作することが望ましいのです。また装置の調整や解析ソフトのプログラミングなどの技術も習得する必要があります。言葉で説明できない部分が多く、失敗や試行錯誤を繰り返して覚えなくてはならないので時間がかかりますが、こうした技術やスキルを身につけておけば、メーカーなどに就職した時も大いに役立つはずです。このことは今回の研究に限った言い方なのですが、より一般的にもっと大切なことは、新しいモノを作っていくために世の中の動向をどうやって調べ、必要な原理などを見出し、それをどのようにして世に送り出していくか、このような考え方やスキルを身につけることにあります。実験系の研究室ですから制約もありますが、学生には自由に考え研究を進める人になってほしいと考えています。十分に考え,我々教員とも十分に議論して計画を練った研究であれば、仮に失敗したとしても良いではないですか。必ず得るものはあります。もっとも、危険も伴いますし、次々と装置を壊されても困りますから、お手柔らかに願いたいですがね(笑)。

(2015/03/30)

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