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ネットジャーナル40

遺伝子発現パターンの機構を解明するショウジョウバエの実験

――現在取り組んでいる研究はどのようなものですか。

博士(理学) 長田 直樹 准教授

長田 まずひとつは遺伝子の発現パターンに関する研究です。例えば、ヒトとチンパンジーとではDNAレベルの違いは1%程度しかありません。それなのに見た目や知能がこれほど異なっているのはなぜか? この問題に対して1970年代から提唱されてきたのが、遺伝子の配列そのものではなくタンパク質が作られる量などの「発現」の仕方が違うという説です。遺伝子は臓器や血液などの身体を構成するタンパク質をコードしますが、その発現パターンの違いがヒトとチンパンジーでは大きな差があるとされているのです。

それを実証するために、ショウジョウバエを使った研究を行っています(解説2)。遺伝子は、遺伝子発現の調節領域に変異があると、発現調節の下流にある遺伝子の発現量が変化したり、2つ以上の変異が表現型に影響を及ぼす相互作用(Epistasis:エピスタシス)を起こしたりします。そのメカニズムは非常に複雑で、関連している遺伝子同士を抽出し、どのような関係性を持っているかを特定するのが難しいのです。そこで、本研究ではゲノム配列が分かっているさまざまな系統のショウジョウバエを掛け合わせ、次世代シークエンサーから得られた遺伝子発現データを解析することで、ゲノムの変異が遺伝子の発現にどのような変化をもたらしているかを明らかにしようとしています。

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