HOME > 研究活動・産学官連携 > ネットジャーナル > ネットジャーナル43

ネットジャーナル43

産学協同研究から生まれた写真復元システム

――今回の研究成果はどのような分野に応用可能ですか。

博士(工学) 田中 章 准教授

田中 サンプリングしたデータから元の信号を再構成する問題は、線形システムの逆問題と捉えることもできるのですが、その応用例として画像処理や画像解析などがあります。本研究を応用した実用化の事例としては、 (株)アイワードと産学共同研究で開発した写真再現技術「デジタイズ・ワークフロー(解説3)」があります。これは、経年変化により退色したカラー写真の色をコンピュータで復元するもので、デジタル化した画像データをソフトウェア上に構築した復元モデルに基づいて画像全体の色合いを復元していきます。一般的な画像復元は、経験や勘を頼りに手作業で行われることが多いのですが、この技術では空の青や木々の緑などすでに分かっている色を手がかりに、退色した色から元の色を計算して復元します。

また、標本化定理と密接な関係がある機械学習の研究にも取り組んでいます。機械学習も音声や画像と共通する部分が多く、サンプル源からいくつかのデータをサンプリングし、他のデータと比較しながら正しいかどうかを推定・判別します。ここでも再生核ヒルベルト空間を用いたデータ処理が行われるのですが、理論的な裏付けの解明が十分になされていません。今回構築した一般標本化定理は、標本化や機械学習、信号復元・再構成等のさまざまな分野の問題が統一的に解釈できることが明らかになっており、機械学習における定式化にも大いに役立つと考えています。

ページの先頭へ