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ネットジャーナル45

生態内部を高分解能で観察できる2光子顕微鏡

――具体的にどのような観察技術を用いているのですか。

博士(理学)根本 知巳 教授

根本 in vivoでの観察技術にはいくつかの種類がありますが、その中でも私たちは「2光子顕微鏡(解説1)」を採用しています。2光子顕微鏡のメリットは生きたままの臓器やモデル動物を対象とする場合に、一番深いところまで見える点にあります。深い部分の画像を得るにはX線CTやファンクショナルMRI(fMRI)などすでに実用化されていますが、2光子顕微鏡は空間分解能がサブマイクロメータ(μm未満)と非常に高く、細胞や細胞に含まれている生体分子の形や動きを生きたままの状態で観察するのに適しています。

例えば、音楽を聴いているときに脳が活性化される状態を観察する場合、fMRIではミリやセンチのオーダーなので活性化されている脳の部位を示すことはできますが、その中に存在する数千の神経細胞の動きまでも捉えることはできません。2光子顕微鏡は、細胞レベルあるいは神経のネットワークレベルで捉えることができ、しかも細胞が生きたままの状態で時々刻々と変化する神経細胞の動きを長時間観察することも可能です。

私たちの研究室では、①半導体レーザー研究者との共同研究により新しい生体in vivoイメージングに適したレーザーの開発、②蛍光の検出器の特殊な工夫、③観察対象であるマウスの固定技術の高度化という3点に注力した結果、麻酔下でのマウスの大脳新皮質において、世界最深部の断層蛍光観察に成功しました(解説2)。この成果は新聞等のメディアに報道されるとともに、Nature Asiaの「注目論文」にも選ばれています。

今回観察したものはとても美しい写真や動画として記録することができました。このように美しい写真が撮れるのは研究者として大きな喜びになりますね。そこに映っているものの学術的な価値とは別に、教科書で見るような美しい現象に触れたときの感動は、学生にとっても私たち教員にとっても素晴らしい経験となります。

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