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ネットジャーナル49

解説

解説1:磁界結合を用いた高速・低ノイズ3次元集積イメージセンサ

近年、イメージセンサとロジック回路を3次元積層するセンサが次の3つの理由から注目されています。
 ①イメージセンサ領域からロジック部退避によるモジュールサイズ低減
 ②センサ部とロジック部に対する機能の分離に即した最適なプロセスの割り当て
 ③撮像の高速化(例:>1000fps)と、そこに付随する画像処理応用
本研究では、Through Chip Interfaces (TCIs)と呼ばれる磁界結合型の3次元積層センサについて扱っています。TCIは、コスト削減、積層ずれへのロバストさ、低電力などの利点を有しています。TCIを用いた積層チップでは、コイルから輻射されるノイズに対する影響が重要です。本報告においては、AD変換器のY方向直下配置されたTCIにおいて輻射ノイズの影響が無視できる状態であることを確認した。また、3次元積層センサの応用である、高速撮像+画像処理に向けて、シングルスロープ型AD変換器の高速化と低電力化を検討しました。積分型AD変換器と複数位相の信号で計測時間を量子化する回路の2つを用いるハイブリッド型において、時間量子器の動作を間欠化し、従来と比較して57%の電力削減を実証しました。

(論文リンク)
Image Sensor/Digital Logic 3D Stacked Module featuring Inductive Coupling Channels for High Speed/Low-Noise Image Transfer

(図1)チップの写真

図

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解説2:グローバル・ローカル領域に対する適応的輝度補正技術

人間は、部屋の中から窓の外の晴れた景色を眺めても、部屋と景色の輝度を脳の中で適切に補正し、両方の画像を適切に認識することができます。しかしながら、通常のカメラでは、窓の外を適切に撮像しようとすると部屋の輝度が黒つぶれし、部屋を適切に撮像しようとすると景色の輝度が白とびしてしまいます。幅広い輝度範囲を撮像する高ダイナミック撮像技術の研究も進められていますが、適切な画像表示は難しく輝度変化の乏しい「眠たい画像」なってしまいます。本研究室では、適応的な輝度補正技術に対し次の3つの技術の研究開発を行っています。
 ①フィルタサイズの大きさに依存しない高速な画像処理アルゴリズム
 ②グローバル・ローカルな領域を独自に直観的に制御できる輝度補正インターフェース
 ③フルハイビジョンの解像度をリアルタイム処理するハードウェア化技術
本研究では、画素の一つ一つに適切な輝度変換関数を生成します。各関数の生成は、特定サイズの局所統計量を取得して行っています。本来ならば、フィルタサイズの大きさにより画像処理速度が変わってしまいますが、画素アクセスを工夫し、フィルタサイズが255×255でも3×3でも同じ処理速度を実現する画像処理アルゴリズムを実現しました。また、輝度変換関数の特性を数理解析し、局所(ローカル)統計量に基づく関数でありながら大局(グローバル)な画像特性に関連するパラメータを有することを明らかにしました。そこで、輝度変換関数の空間の形を制御し、グローバル・ローカル領域を独自に直観的に制御できる輝度補正インターフェースを開発しました。これらの技術を、高解像度でリアルタイム処理(1920×1080画素の画像を1秒間に60枚処理)するハードウェア化の研究も同時に行っています。

(論文リンク)
画像処理装置および輝度調整方法

図

(写真2)黒つぶれしているサンプルの写真(左)城の部分の輝度を引き上げたまま,さらに空の部分を任意に輝度補正(右)

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参考:窓の外の明るい景色を撮影したもの

図

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