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ネットジャーナル51

センシングとデータ解析を同時に考慮し
人間の好みや志向を推測するマルチメディア処理の実現

――先端的研究について詳しく教えてください。

博士(情報科学)  小川 貴弘

小川 現在積極的に取り組んでいる先進的研究のテーマは「センシングとデータ解析を同時に考慮した新しいマルチメディア処理の実現」と「人間からセンシングされた情報を活用した新しいマルチメディア処理」の二つです。

「センシングとデータ解析を同時に考慮した新しいマルチメディア処理の実現」は画像情報に関する新しい表現技術(その応用として近似・復元・再構成がある)の開発を目指したもので、ベースになっているのは前述の(1)(2)の研究です。(1)(2)の段階では、適応的多変量解析を用いて解析するための理論を主に研究していたのですが、本研究では物体固有の色情報(分光反射特性)に関する先進的なセンシング技術を実現することで、今までにない新しい画像情報の取得法を実現しました(解説2)。

二つ目の「人間からセンシングされた情報を活用した新しいマルチメディア処理」は、脳波や生体情報を使い、ひとつのサンプル(一人の人間)から多様な情報を取得し、その人間の好みや志向を推測する技術の開発です。例えば、テレビ番組を見ている人の視線や動作などの生体情報を取得し、その人が何を見て笑っているのか、どこに興味を持っているのかを解析するのです。ある場面を見て「好き」「嫌い」を判定するだけではなく具体的な対象まで特定することができれば、解析の精度は格段に上がります。さらに、サンプル数を増やしていくことで、実利用に耐えうる技術が実現可能であり、市場に対して大きなインパクトがあると予想しています(解説3)。

また、その解析をセンシングと同時に行うことができれば、パソコンやスマホで検索中のユーザーに、好みや目的に応じた情報を提案したり商品を勧めたりするサービスも非常に精度の高いものになるはずです。ライフログや生体情報を取得するデバイスも実用化され始めているので、それらのデバイスを活用しながら人間の感情や考え方を推定するシステムの開発に取り組んでいます。

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