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ネットジャーナル51

社会に与える影響を考えることも
これからの科学者に求められている

――これらの技術は世の中でどのように使われるのでしょうか。

博士(情報科学)  小川 貴弘

小川 さまざまな分野で活用できるのではないかと期待していますが、これらの技術を日常生活に取り入れるには二つの課題を解決する必要があると考えています。ひとつはさまざまな企業がそれぞれに製品を出していて、個別にデータを取っているものをどうやってまとめるか。二つめは収集した個人の情報をどうやって流通させ、どのようなサービスに活用するかという問題です。これには個人情報やプライベートな情報を漏洩させないというセキュリティの側面と、収集した情報を個人の財産として扱う法的な側面があります。個人の情報を財産として管理する社会的な仕組みづくりは、本研究室の長谷山美紀教授が代表となっているNEDOの「個人主導型の健康データ流通社会を実現するヒューマンセントリックIoTシステムの研究開発」というプロジェクトでも本格的に取り組んでいます。

 

私たち研究者は技術そのものを追求するだけでなく、それが世の中でどう使われ、社会にどのような影響を与えるかを考えなければならないと感じています。私たちがやろうとしていることは、人間が何を考えているのかを解明することです。結果的には個人の内面をさらけ出すことにつながるので、人々が嫌がるようなことは避け、喜んでもらえるような使い方を考えなければ世の中に受け入れられる技術にはなりません。コンピュータが人間をミスリードすることがないよう、倫理的な部分を考慮したり、あえてランダム性を持たせるなどの配慮も必要になるでしょう。これは科学者だけでなく心理学や倫理学、法学など文系の専門家と一緒に取り組むべき課題でもあると思います。

(2017/01/11)

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