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ネットジャーナル52

パワーエレクトロニクス機器の設計・開発に重要な
電力変換器・制御技術の研究開発

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情報科学研究科 システム情報科学専攻
システム融合学講座  電気エネルギー変換研究室・教授
博士(工学)  小笠原 悟司

プロフィール

1983年3月 長岡技術科学大学大学院電気電子システム工学専攻修士課程修了。同年4月より長岡技術科学大学工学部電気系助手、1992年 岡山大学工学部電気電子工学科助手、1993年 同助教授。2003年4月より宇都宮大学工学部電気電子工学科教授。2007年より北海道大学大学院情報科学研究科教授。

インバータとモータの高度化により
パワーエレクトロニクス機器の電力変換効率を向上

――電気エネルギー変換研究室ではどのような研究を行っているのですか。

小笠原 当研究室では、半導体デバイスのスイッチング動作を基本に、電気エネルギーの形態(電圧・電流・周波数)を必要な形に変換したり、高速・高精度に制御する技術の研究開発を行っています。大きく分けて、パワーエレクトロニクス班とモータ班の二つがあり、パワーエレクトロニクス班では主にインバータやコンバータの研究を、モータ班ではモータそのもの技術開発を手がけているのですが、近年は二つが融合した研究領域になってきています。なぜかというと、モータの回転数をコントロールするには必ずインバータが必要であり、インバータの性能とモータの性能は常に連動しているからです。さらに、モータには多様な種類や使用目的があり、それに合わせたインバータを開発することも重要な役割となっています。

半導体デバイスのスイッチングは基本的にエネルギーを消費しません。しかし、現実的には半導体で完全なスイッチを作ることはできず、スイッチングの過程でいくらかのロスが出ます。現在、インバータをはじめとするパワーエレクトロニクス機器の電力変換効率は95%以上の高い数値を実現していますが、さらに損失を減らし変換効率を100%に近づけることはエレクトロニクス産業にとって非常に重要なテーマになります。

現在、注目しているのはデバイスの素材の進化です。従来の電力変換デバイスにはシリコンが使われているのですが、最近になってシリコンカーバイド(炭化ケイ素:SiC)やガリウムナイトライド(窒化ガリウム:GaN)といった新しい半導体材料を使ったデバイスが研究されていて、近い将来それらの素材に移行していくのではないかと言われています。

これらの新素材を使うとスイッチングの際にオンとオフの中間的な状態になる時間がより少なく(ナノ秒単位でひと桁近く短く)なり、その分損失が減ることになります。そうなると、今までのインバータをより高精度・小型化できる可能性が出てきます。私たちの研究室では、そのようなデバイスを効率よく使いこなせるような技術の研究に取り組んでいます。

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