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ネットジャーナル52

ノイズ発生のメカニズムを解明し
高周波数のEMI対策に役立つ技術を開発

――デバイスを使いこなす技術とはどのようなものですか。

博士(工学) 小笠原 悟司

小笠原 前述のように、新しい素材を用いたデバイスは電力変換効率が高くなり、損失を減少させることができます、しかし同時に変換時に発生するノイズが増大し、ノイズによる電磁妨害(Electro-Magnetic Interference:EMI)が発生することがあります。ノイズには、(1)周波数が低く(150キロヘルツ〜30メガヘルツ程度)、電力ケーブルを伝わる電導性ノイズと、(2)周波数が高く(30メガヘルツ以上)、電波となって放出される放射性ノイズがあり、スイッチングスピードが速くなるほど周波数は高くなります。

従来は、スイッチングのスピードがさほど速くなかったので電波となって放射されるノイズが問題視されることはほとんどありませんでしたが、SiCやGaNなどの素材を使ったデバイスではノイズの周波数が10倍程度高くなるため、放射性ノイズの影響が大きくなると考えられます。本研究室では、EMI対策に使われる機器のアクティブフィルターの一方式として出力コモンモード電圧を抑制し、漏れ電流を低減するアクティブコモンノイズキャンセラ(ACC)の性能向上に関する研究などを行っています(解説1)。技術的にはまだ課題が残されていますが、実験では100メガヘルツまでの周波数にも対応できることが分かっており、有効な手法であると期待しています。

また、業務用エアコンなど比較的大きな機器の場合、インバータのノイズが室内機・室外機の筐体に共鳴して発生する放射性EMIについての検証も行いました(解説2)。こうした現象の発生メカニズムを解明することも、パワーエレクトロニクス開発に不可欠なテーマになると思います。

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