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ネットジャーナル54

半導体スピン効率の最大化に成功
スピン数密度が1万倍以上に

――現在はどのような研究を行なっているのですか。

博士(工学) 古賀 貴亮

古賀 2011年の成果は電子スピンの制御・操作に関する研究の第一段階で、それ以降はスピン軌道相互作用を効果的に活用し、電子のスピン状態に応じて伝導電子をふるいにかける新手法の研究に取り組みました。2011年当時は10nmの厚さの量子井戸が1枚の状態で実験を行いましたが、次の段階では2つの量子井戸(二重量子井戸)を用いたデバイスで、電流誘起のスピン数密度(CISP)を理論予測しました。その結果、半導体二重量子井戸におけるCIPSは、半導体における従来観測値の1万倍以上に増大することが判明しました(解説2)。

 

二重量子井戸でのスピン数密度の飛躍的な増大効果の予測は、1枚の量子井戸で実証したスピン制御をエンジニアリングに応用できる可能性を示唆しています。将来的には量子コンピューターを筆頭とする次世代電子デバイスの開発につながると期待されていますが、現在はまだ基礎研究の段階です。理論通りに動かすことができれば実用化の可能性は高まりますが、解明されていない部分も多いので、今後も基礎研究の地道な継続が必要です。

(2017/12/25)

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