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ネットジャーナル55

近赤外線や可視光を活用した光リソグラフィと人工光合成

 

――現在の研究テーマについてお聞かせください。

博士(理学)上野 貢生

上野 まずひとつが「光リソグラフィ」の技術です。光リソグラフィとは、細かい構造を書き込んだフォトマスクと呼ばれるいわゆる「鋳型」を光によって大量にコピーする技術です。通常は、コピーに使用する光源に真空環境下でなければ利用できない真空紫外光を露光用光源とした高額な露光装置を用いていますが、本研究では、波長が比較的長く通常の大気中でも利用できる近赤外光を用いて加工分解能の向上を実現しました(解説1)。

二つめは「人工光合成」の技術です。当研究室では、2010年に可視・近赤外光による水の酸化反応に基づく光電流を初めて計測することに成功しました(解説2)。この研究成果をもとに、2014年、全可視光の利用と発生した水素・酸素の分離を同時に可能にする人工光合成システムの開発に成功。チタン酸ストロンチウム単結晶基板の表面にプラズモン共鳴を示す金ナノ粒子を形成させ、基板の裏面には白金板を固定し、全可視光波長(450nm〜850nm)の光を用いて金ナノ粒子側で酸素発生を、白金側では水素を発生させることを実現しました。水素だけではなくアンモニアなどの水素エネルギー密度の高い化学物質への変換もすでに実現しており、水素を燃料とする車への搭載など、将来的な実用化にも期待がかけられています。

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