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ネットジャーナル55

光電子顕微鏡で電子の動きを観測

――これらの技術のベースになっているものはどのようなものですか。

博士(理学)上野 貢生

上野 開発した光リソグラフィ技術は、プラズモン増強としては損失となる光散乱成分を利用して転写する技術です。一方、人工光合成は金属ナノ構造による光吸収を利用した技術で、効率的に光を構造に閉じ込める必要があります。漏れ出たものを利用するものもあれば、閉じ込めたものを利用するものもあるというわけです。

 

こうした技術を可能にするには、そもそも金属ナノ構造における電子の振る舞いを計測する技術が不可欠であり、それが光電子顕微鏡(PEEM)です。当研究室では、金ナノ微粒子に誘起される電子のさざ波の観測や、集団運動の継続時間を追跡する観測などに取り組み、大きな成果をあげています(解説3)。

電子の振る舞いを詳細に計測することにより、金属ナノ構造体の設計指針を得ることが可能になり、結果的に太陽電池や人工光合成といった新しいアプリケーションの開発につながります。こうした基礎的な研究から人工光合成といった実用性の高い研究まで幅広い分野に関わっているのが当研究室の特徴であり、リーダーの三澤弘明教授をはじめメンバー一同、環境問題やエネルギー問題に寄与する研究に取り組んでいます。

(2018/1/30)

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