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ネットジャーナル56

「知の泉」から生まれる新しいアイディアが
次世代の光通信技術を創出する

写真:博士(工学) 藤澤 剛

情報科学研究科 メディアネットワーク専攻
情報通信システム学講座  情報通信フォトニクス研究室・准教授
博士(工学)  藤澤 剛

プロフィール

2001年北海道大学工学部電子工学科卒、2003年同大学院工学研究科電子情報工学専攻修士課程修了。2005年同博士課程後期修了。2003年日本学術振興会特別研究員(DC1)。2006年日本電信電話株式会社NTTフォトニクス研究所勤務を経て、2014年より北海道大学大学院情報科学研究科准教授に就任。

送信、受信、伝送のリンクをトータルに研究

――情報通信フォトニクス研究室ではどのような研究をしているのですか。

藤澤 光通信システム、通信用光デバイス、光デバイス設計技術などの研究開発を行っています。通信ネットワークは送信機、受信機、伝送路による「リンク」で構築されていますが、本研究室では光通信のリンクをトータルに捉え、デバイスの材料から光ファイバを用いたシステムまで、幅広く手がけているのが特徴です。

その背景としては、スマートフォンやクラウド技術の発展に伴い、ネットワークのバックボーンを支える光通信伝送容量の増大があげられます。特に要求が増えているのは短距離系の通信で、データセンターなど距離の短い通信でも光通信が使われるようになっています。短距離系の光通信では、経済性、伝送容量、低消費電力といった特性が求められ、長距離系とは異なるデバイスが必要です。 特に、非常に短い距離の光通信である光インタコネクトと呼ばれる領域では、伝送路自体も従来の光ファイバから変わりうる可能性があり、送信、受信、伝送路すべてを含めたリンクごとの最適な構成が盛んに議論されています。

また、長距離系の通信でも、主に使用されているシングルモード光ファイバの伝送容量に物理的限界が見え始めており、従来とは異なる新しい発想の伝送容量増大方法が求められています。

そういった状況では、送信機や受信機などのデバイス単体、あるいは伝送路単体で考えるのではなく、リンク全体を俯瞰する立場から考えることが重要になります。さらに、材料とデバイスの間、デバイスと伝送路の間といったように、複数の領域にまたがる部分は新しいアイディアの出やすいところでもあり、そういう部分を積極的に狙っています。

現在、研究室では発光素子・光変調器・多重化素子などのナノフォトニクスを用いた次世代光デバイスの開発から、マルチコア・マルチモードの光ファイバシステムまでをトータルに手がけ、さらに最適化設計技術を用いた光通信システム設計技術の研究開発に取り組んでおり、伸び続ける伝送容量増大の需要に応える新しい光デバイスの創出を目指しています。

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