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第20回 8大学情報系研究科長会議報告

標記会議は、九州大学大学院システム情報科学研究院が当番校となって、平成25年5月17日(金)、博多駅近くの博多都ホテルにおいて開催されました。本学からは、栗原情報科学研究科長、高橋情報科学研究科副研究科長が出席し、杉山事務課長が随行者として出席しました。

会議は、九州大学の藤野工学部等事務部長の司会のもと、当番校である同大学院システム情報科学研究院の谷口研究院長の挨拶の後、同研究院長を議長に選出し、開催されました。

今回の会議では、文部科学省から高等教育局専門教育課の杉江達也専門官、河村隆司情報教育推進係員、ならびに、研究振興局情報課の滝沢翔平企画係長が出席されました。

会議参加者の自己紹介の後、議事に先立ち、高等教育局専門教育課の杉江専門官から、情報科学研究科を中心とした大学に関わる話題に対する情報提供とその説明がありました。具体的には、①近未来の人材育成として、エンジニアの質・量ともに大幅アップが必要で、特に情報関係では数としてもほぼ倍増が必要との試算であるとのこと、②4月25日の中教審答申で、大学教育としては、学生の課題探求能力の修得のため、能動的学習が求められることなどが示されたこと、③情報人材育成の実践教育ネットワーク形成に関するアンケートが阪大を中心にまとめられ、産業界との連携の重要性が指摘されたが、現状では希少であること、④未来を見据えた理工系人材育成戦略について、今秋頃から議論が開始されるとのこと、などの紹介がありました。

引き続いて、研究振興局情報課の滝沢企画係長から、最近の情報課の中心的取り組みについて紹介があり、具体的には、①相変わらずビッグデータが中心的話題であり、戦略的創造研究推進事業として、北大の田中譲教授のビッグデータ応用に関するCREST、東大の喜連川優教授のビッグデータ基盤に関するCREST・さきがけが募集中であること、また、デバイスの超低消費電力化や多機能化に関するCRESTが審査中であること、②今後のHPCIのあり方に関するWGの中間報告の情報では、スパコンが科学技術振興と産業競争力の強化の点から重要であること、③最近の話題として、博士論文の公表に関する学位規則が改正され、紙媒体から電子媒体に変更になったこと、等が紹介されました。

今回の会議では、協議事項6件がありました。

協議事項(1) 「改正労働契約法への対応について」(提案大学:東北大学大学院情報科学研究科・九州大学大学院システム情報科学研究院)では、北大同様、各大学、苦慮しながらも法令順守の方向で対応しているということでありました。元々助教に任期制を導入していない大学もあり、助教に関しては影響のない大学もありました。唯一、阪大は期限付きのプロジェクトなどでは、その期限の範囲内で5年を超えての有期雇用を認めているとのことで、裁判になれば勝てるとの判断とのこと。今後の見通しとして、文科省の杉江専門官のコメントでは、厚労省との間に連絡会議を設置して、大学の特殊性に基づいて特例化について議論しているとのことですが、できるかどうかは不明とのこと。

協議事項(2) 「情報科学分野における新機軸研究を推進するための部局支援の方策について」(提案大学:東北大学大学院情報科学研究科)では、各大学のインセンティブ高揚や新たな新機軸を目指した取り組みについて紹介がなされました。どの大学も、同様な問題意識を持っており、程度や規模の差が多少ありますが、同様な施策を実施しているようでした。多少特徴的な取り組みとして、京大ではICTネットワーク推進として、100社規模の企業を集めて、展示会のような催しを行い、若手研究者の宣伝の場としているとのこと。東大でも、同様に企業との共同研究を促進させる取り組み(R2P)があるとのことでした。

協議事項(3) 「大学情報システムのセキュリティー対策について」(提案大学:東京工業大学大学院情報理工学研究科)では、東工大より研究の秘密データを狙ったようなサイバー攻撃もあり、憂慮すべき事態になっているとの報告があり、これに対応する各大学の対策が紹介されました。どれも完璧ではなく、苦慮している模様です。このような中で、九大では、学生全員に、パソコン持参を義務づけることにしたと言うことで、不測の事態が起きるのを気にしているとのことでした。

協議事項(4) 「情報系分野の発展方向について」(提案大学:東京工業大学大学院情報理工学研究科)については、どこの分野とも協調できる情報科学の本質的問題として、実体を失ってしまう恐れについて議論されました。文理融合も含め、広範な領域をターゲットにする情報科学の問題として、基礎をしっかり固めることの重要性があらためて指摘されました。

協議事項(5) 「ミッション再定義への対応について」(提案大学:名古屋大学大学院情報科学研究科)については、昨年度より教員養成、医学、工学に対して先行して実施されてきたわけですが、8大学の情報科学研究科の中には、北大のように工学にほぼ含まれていてほぼ終焉に向かっているところから、名大のようにほとんど含まれておらず、これからの対応で不安に苛まれているところまでまちまちであり、対応も様々でした。文科省の杉江専門官のコメントとしては、「大学と文科省が一緒になって考えていく」と繰り返し説明しましたが、国民や財務省の説明に使うかもしれないと言うことはあるとのことでした。加えて、3月15日の下村文部大臣の産業競争力会議での説明を取り上げ、「大学を核とした産業競争力強化プラン」が工学系に投げかけられているとのお話がありました。

協議事項(6) 「大学の国際化に関する現状と課題および方策について」(提案大学:九州大学大学院システム情報科学研究院)については、各大学、多少の差はあるものの、同様な問題意識で対応しているようでした。特に、G30が当たっている大学では、今年で終了するため、頑張った部局ほど大変になることが見えており、苦慮しているとのことでした。

その後、報告事項として、4月26日に開催されました第125回8大学工学関連研究科長等会議の報告が、当番校でありました東工大の米崎研究科長からありました。

最後に、次回第21回の会議は、平成25年10月25日(金)に大阪大学を当番校として千里阪急ホテルで開催し、第22回の会議は、名古屋大学を当番校として開催することが決定され、閉会となりました。

(2013/06/10)

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