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第22回 8大学情報系研究科長会議報告

日 時:平成26年5月16日(金)13:00~17:00
場 所:メルパルクNAGOYA
本研究科からの出席者:宮永研究科長,北副研究科長,杉山事務課長,山羽総務係長

1.開会の辞ならびに日程説明:名古屋大学大学院情報科学研究科事務長 合田由美子 氏 から開会の辞ならびに会議日程等の説明があった.

2.当番大学挨拶:当番校の名古屋大学大学院情報科学研究科長 坂部 俊樹 氏 から挨拶があった.

3.議長選出:慣例により,当番校の名古屋大学大学院情報科学研究科長 坂部 俊樹 氏を議長に選出した.

4.出席者紹介:構成員等の自己紹介並びに文部科学省出席者の紹介を行った.

5.文部科学省挨拶
 高等教育局専門教育課 黒澤 修身 課長補佐から「文部科学省における情報技術人材育成施策等について」と題した講演があった.

  •  ・情報通信業就職者に占める高等教育修了者の割合は他業種に比べ高いが,諸外国に比べると少なく,人材が不足していると言える.そこで,政府における「日本再興戦略」,「世界最先端IT国家創造宣言」,「創造的IT人材育成方針」,「サイバーセキュリティ2013」などの中で,産業競争力の源泉となるハイレベルなIT人材の育成・確保の推進,産学官連携による実践的IT人材の継続的に育成,活力あるサイバー空間を構築できる人材育成などを掲げている.
  •  ・「情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク形成事業」(平成24年度~28年度)では,これまでの高度IT人材育成実践教育に加え,特に平成26年度は,IT知識+経営など多様なIT人材を育成することを目的としている.目標育成学生数は,平成25年度の210名から平成26年度は300名以上であり成果が上がっている.受講学生に対するアンケート調査結果では,「自校では学べない内容が含まれている」,「レベルの高い演習が体験できる」など良い評価が得られており,有益性,満足度も高かった.また,企業向けアンケート調査結果では,認知度は低かったが,教育内容については,「新しい」,「先端的」といった高い評価が得られた.また,本事業の修了生は「産業界で活躍できると思う」という意見が大半を占めた.
  •  ・「スーパーグローバル大学等事業」においては,グローバル人材の育成を目的としており,情報系の取り組みも含めて大学として申請してほしい.

 引き続き,研究振興局 今田 潤 参事官付企画係長から「文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付における最近の取り組みについて」と題した講演があった.

  •  ・文部科学省の「スーパーコンピュータの開発・利用」では,ポスト「京」の開発,特に計算性能だけではなく,どういったアプリケーションを目指すかが重要.「未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発」は,その橋渡しのための予算であり,実用化・アプリケーションを見据えた研究開発事業を行うものである.ビッグデータ利活用のための研究開発・人材育成ネットワーク形成,スピントロニクス材料・デバイスおよびストレージ基盤技術,社会システム・サービス最適化を目的としている.特に,人材育成ネットワーク形成では,例えば,情報の人材がバイオやナノの分野で活躍できるような人材育成ネットワークを形成することを目指している.
  •  ・戦略的創造研究推進事業(CREST,さきがけ),JST情報事業,SINET整備事業における情報科学技術関連の研究領域の紹介があった.

6.議 事
(1)協議事項
①1-1 情報系大学院における研究者育成と実務家育成
  1-2 修士修了生の質の向上について
 提案大学の東京大学大学院情報理工学系研究科長 坂井 修一 氏から趣旨説明の後,各大学から現状及び具体的な取り組みについての報告があり,種々意見交換を行った.

  •  ・実務家育成:先導的IT技術者推進プログラムによる実務家教育(北大,阪大,九大).分野・地域を超えた実践的情報教育協働ネットワーク(enPiT)による実践的教育(東工大,名大,阪大).リーディングプログラムによる実務家教育(名大,京大,阪大).京都リサーチパーク㈱において,関連企業からコンソーシアムに入ってもらい,そこに学生が入り問題解決に取り組んでいる(京大).グローバルリーダー養成のため海外インターンシップ派遣(北大,東北大,東工大,京大,九大).連携講座(北大,名大).企業のトップの前で研究発表させることで人間力を鍛える(名大).
  •  ・研究者養成:博士課程に対する研究支援として50万円を研究費として支給する制度を設けている(名大).以前に比べ情報学はきらきら光る分野ではなく,むしろ目立たなくなってきている.高校の段階から情報系を魅力的に見せる努力が必要.学生につらそうな顔を見せすぎ.若手が輝いていること,楽しんでいることを表に出すことが重要.楽しげな若手をネットワークの中で増やす.例えば,東北大学と京都大学は,新入学生を共同で教育することを行っている.
  •  ・修士修了生の質向上:大学院生まで教養教育を行い人間性,創造性を養う(東北大).学士+修士一貫教育で学生を募集している.アメリカのCS学科に対応して単位互換できるレベルにしたい(東工大).修士の質についてはトップの学生が少なくなっている印象.合格率が高いので院試の勉強をしない.定員の充足率の面で影響が出ないように定員管理したい(阪大).改組の際,修了要件単位を30単位から45単位に増やした.研究室のゼミなどを評価して単位認定している(九大).就職活動のためのコンサルタントを雇用し,面談してもらうことで学生の長所・短所を見出している(九大).

②情報学研究を発展させる新しい教育研究の組織形態について
 提案大学の東京工業大学情報理工学研究科長 米崎 直樹 氏から趣旨説明の後,各大学から現状及び具体的な取り組みについての報告があり,種々意見交換を行った.
 北大:複合情報学とコンピュータサイエンスを融合した情報理工学専攻に改組.東工大:応用分野の研究室にはもとの部局に戻ってもらい,「情報」を核とした組織改革を考えている.九大:さまざまな研究教育組織に情報学の研究者が入りこむようになってきており,情報学の中核研究そのものの層が薄くなってきている.阪大:50%がコンピュータサイエンス,その他,数学,ネットワーク,バイオ関係から組織が構成.京大:6専攻で構成されており,組織的には情報(知能,社会,複雑系)とアプリケーション(数理,システム,通信情報)からなる.ただし,学生は学部時代のバックグランドと異なる専攻に移行せず,有効に機能していない.東大:現在の組織で先端的教育研究を行っていると考えている.打率10割のロボット,ダンスをするロボットなどの研究がベンチャー企業を生んでいる.また,ソーシャルICT研究センターは定員純増で作られ,応用と中核の分野を融合した組織である.今後は外国人や女性といったダイバーシティーを持たないと組織として生き残れない.東北大:工学系の電気,ロボティクス,数学,社会科学から成る組織であり,魅力ある技術を中心に産学連携が組織されている.

③年棒制の導入,外国人教員・女性教員・若手教員の雇用の促進の検討・対応状況について
 提案大学の東京工業大学情報理工学研究科長 米崎 直樹 氏から趣旨説明の後,各大学から現状及び具体的な取り組みについての報告があり,種々意見交換を行った.
 外国人教員比率: 2/88(東大),4/120(京大)
 女性教員比率:3.8%(北大),5/84(東北大),5/88(東大),4/120(京大),9/51(九大),名大では全体の2割を女性教員にすることを目標(北大も同様).3年間で350万円の研究費を支援することや,研究者1名に対して2名のメンタをつけるなどを実施している.
 年棒制:東北大では7/84が年棒制であり,特任助教と国際支援担当教員1名.名大では,専任教員は年棒制移行を可能にする方向である.また,新規採用のテニュアトラック助教は年棒制.64歳以上は年棒制.東大では年棒制移行は可能であるが申し出た人はいない.任期付き教員4名がクロスアポイントメント制度を適用.京大では600人程度を年棒制に移行させることを検討中.阪大では58歳以上は年棒制に移行できることとする.また,優秀な外国人教員は年棒制に移行可能.クロスアポイントメント制度は大学全体で1件のみ.九大では平成26年度から,全体の20%(400人)を年棒制に移行可能とする.北大では特任教員に対して年棒制を導入.若手教員の雇用促進のためテニュアトラック制度を実施.本研究科では1名が該当.

④研究科運営予算の捻出について
 提案大学の東京大学大学院情報理工学系研究科長 坂井 修一 氏から趣旨説明の後,各大学から現状及び具体的な取り組みについての報告があり,種々意見交換を行った.
 リーディング大学院などのプロジェクトでは間接経費がつかないため,改善を求めることを8大学から提案したい.これに対して,文科省からは,なぜ教育に対して経費をつけなければならないのか,大学が本分として行うものであるはず,といった財務省側の指摘を突破するのは難しいとの説明があった.スーパーグローバルの事業を大学が行う位置づけ,国費を投入する必要性,そのためにどういう経費が必要になるのか,と言ったことを明確にする必要がある.

⑤学術レポジトリ整備の現状について
 提案大学の大阪大学大学院情報科学研究科長 井上 克郎 氏から趣旨説明の後,各大学から現状及び具体的な取り組みについての報告があり,種々意見交換を行った.
 北大:北海道大学学術成果コレクションHUSCAPが,2005年7月より試験的運用開始となり,2006年4月より正式に運用.東北大:博士論文の要旨,オンライン化などは,東北大学図書館のリポジトリに掲載している.数量的には少ないが,学術論文も掲載している.東大:2006年からインターネット経由で情報発信.情報系では,博士論文が251件,学術論文が54件.博士論文については,出版社との調整が必要な場合などは要旨のみで良い場合もある.東工大:博士論文,学術論文を掲載.博士論文については特許,著作権等の問題がある場合には要旨のみで良い.名大:学位論文,学術論文,紀要をレポジトリに掲載.京大:紛争になった場合,各個人が掲載しているという位置づけ.

(2)報告事項
・第127回八大学工学関連研究科長等会議報告について
 東京大学大学院情報理工学系研究科長 坂井 修一 氏から,4月25日に開催された第127回八大学工学関連研究科長等会議の報告があった.

7.次回当番大学および開催時期
 議長から,次回の第23回8大学情報系研究科長会議の当番は北海道大学となっている旨説明があり,また,開催日を平成26年10月24日(金)にしたい旨提案があり,了承された.また,次々回の当番について,配布資料をもとに過去の実績を鑑みて,東北大学にお願いしたい旨提案があり,了承された.

8.閉会の辞

以 上

(2014/06/06)

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