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ヴォイス1・就職企画室インタビュー第1回

キャリアビジョンは固定のものではない

写真:金子 俊一 教授

情報科学研究科 2011年度就職企画室室長
教授 金子 俊一

学生に言ってあげたいこと:キャリアビジョンは固定のものではない

――職員の間では金子先生はエンターテイナーだという噂があります。金子先生が日頃人とのコミュニケーションを大事にしている姿も、これから社会人として生きていくために学生へ伝えたいことの中に含まれているのでしょうか。

就職企画室の狙いは、一も二もなく学生支援です。具体的に言えば、主に学校推薦を希望する学生をどう支援するかということです。

求人のあった企業は、社会全体が不景気・就職難と言われていますが、今年度卒業・修了予定者で397社でした。就職企画室が計算している業種の割合は求人の割合ではなく、内定先の割合になりますが、大勢は変化なく情報や電気といったところを中心に求人が来ています。でも求人はそこに限らず、情報のスキルを持った人がほしいということで、いろいろなところから来ています。

――「とりあえず新卒で就職したい」という焦りを学生が持ってしまうのも自然かと思いますが、30歳、40歳になっていく自分を考えて将来のキャリアビジョンを組み立てるサポートも、就職企画室が行う進路ガイダンスの中に含まれているのでしょうか。

ガイダンスの目的は、就職に限ったものではなく、大学院進学も含めた全体について、進路の情報を伝えることと、進路についての意欲を高めてもらうことです。求人数とか業種といった就職の詳しいデータは就職企画室のホームページ、キャリアセンターのホームページをはじめとしていろいろなところに載っていますから、ガイダンスで学生に説明する内容で、特に大事にしたことは「気持ち」とか「考え方」ですね。僕らは就職の難しいことも学生に伝えないといけないので、進路ガイダンスではそういうことも話しました。

キャリアビジョンを持ちなさい、とはよく言われていることですけど、個人的には容易なことではないと思いますね。本当のことを言うと、我々すらも持っていない。10年後、20年後の自分のビジョンを持とうとするのは難しいですよ。もうお亡くなりになりましたが筑紫哲也さんが好きで、若い人たちがキャリアビジョンを決めるように言われていることについて、彼は「自分のキャリアビジョンなんて簡単に言えません。キャリアビジョンは死ぬまで決まらないんだから」と言っていました。我々は若い人たちに、「自分の人生のキャリアビジョンっていうのをちゃんと決めなさいよ」としたり顔で言ったりするけれども、筑紫さんも「私だって自分のキャリアビジョンなんて言えませんよ」と言っている。だから学生に言ってあげたいのは、「キャリアビジョンを今すぐに固定しなくてもいい、今決めなければならないことはあるけど、それは変わったって良いんだよ」ということです。

今ここで決めたことを20年間変えてはいけない、なんて言われたら学生は大変ですね。そんな大きなことは要求できないし、そんなことができる人間はなかなかいないと思います。でもだからといって、決まっていなくてもいいという意識は良くない。進路ガイダンスの後に、アンケートで進路の第一希望、第二希望って書かなければいけないので、決めようとする努力は必要ですね。就職の場合には、たとえば学校推薦の関係もありますから、そのとき決めてアンケートに書いて提出した希望によっていろいろなことが動いていくわけですよね。だから、1週間後に「やっぱりやめた」となるような決め方は良くない。「自分とよく相談して気持ちを広く持って将来を考えることが大切」と学生に言ってあげれば良い。そういったことも進路ガイダンスでは話しましたよ。

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