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ヴォイス1・就職企画室インタビュー第1回

直接先輩と話す内容が、進路についての一番の価値ある情報

――情報科学研究科を卒業していった学生が、北楡会の行事や産業技術フォーラムといったイベントの時に帰ってきて、例えば「会社での生活は自分の思い描いていたイメージとは違うけど、それなりに楽しい」といった声もありますか。

そういう声の方が多いです。僕の研究室の話ですが、卒業生がお盆やお正月によく遊びにきて、僕のところをちょっと覗いてあいさつに来ることもありますよ。あいさつに来るのは、元気な社会人が多いですね。卒業した後に大学に来て先生に会って何かを話そうという卒業生は、きっと今幸せな社会人でしょう。そういう卒業生しか来ないから、卒業生全員が幸せだと思ってしまうけど、必ずしもそうじゃないでしょうね、そんなに甘いものではないでしょう。社会に出てあまり良い状況にいない卒業生は、よほど困らないと来ないですからね。だから研究室に来る卒業生に限っての情報収集になりますけど、企業や研究所に就職して「頑張っています!」「満足です!」という声がほとんどです。そういう意味では人材育成、就職支援はやりがいのある仕事だと思います。就職企画室長としてではなく、研究室の運営者としての話になりますが、僕が指導した学生はほとんど、僕の専門である画像処理とか、画像解析とか、画像計測とか、そういう分野でずっと仕事をしていますから、それはありがたいですね。学生時代に学んだ、自分がプロパーだと思う学問や技術、そういうものを続けて活動してくれるのはありがたいです。

――研究室によっては先輩が少なく、研究室単位では先輩と話す機会がないところもあります。産業技術フォーラムでは企業の方々と懇談の場と時間も設けられていますが、学生が就職に関する情報提供を一方的に受けるのではなく自分から先輩にアプローチして自分のやりたいことを考えていく場を提供していると捉えても良いのでしょうか。

写真:金子 俊一 教授

まさにそうです。先輩と話す内容が一番価値のある情報だと思います。就職企画室は、学生にとって価値のある情報をいかに集めて、いかに学生に提供するかということの支援を行うところです。それが例えば産業技術フォーラムの開催であったりします。講演している企業の話を聞いて、あるいは人事担当者の話を聞いて、先輩の話を聞いて、そして自分の話を聞いてもらう。そういう実際に人に会っての交流を学生に提供するのが、産業技術フォーラムのもっとも大事なことです。やはり、人と会う、face to faceが基本です。直接先輩と話をして、自分のイメージしていたことと違う部分を見つけることもあるでしょうし、また新たに知る部分もあるでしょう。就職企画室のイベントは、学生の進路を決める契機というかトリガーというか、何かを始める動機にはなるでしょうね。

就職というと、気持ちの中では自分の希望の方が先にあって、それをどう社会に出て実現していくかということを考えますよね。そのときの自分の希望とか満足というものは、ある固定のもの、というイメージがありますよね。でも希望とか満足というのは、実はどんどん変わっていくんですよ。だから社会に出たら、その変わっていく自分を楽しまなければいけない。自分が外から影響を受けるということは、すごく楽しいことだと思いますよ。就職に例えて言うなら、ある学生がA社に入りたいとする、「A社が大好きなんだ」とね。だけど、A社には入れなくてB社に入った。そうすると、A社に入りたいという強い希望を持っていたその学生はB社に入ったんだから、きっと不幸ですよね。でもそこで「A社に入れなかった、不幸だ」で終わらせたら、人生短いんですからもったいない。だから、A社に行きたかった自分はかつていたけれども、実際にはB社に入った、じゃあ、B社のいいところをどんどん見ていって、「B社に入ってよかったな」と思った方が人生得です。自分が就職した組織の良いところを、自分から見つけなければならない。そういうのはある意味で能力、力ですよ。そういう能力は、学生たちは持っていなければいけないですよね。ただひたすら、自分の好きなことばかりやっていても、そういう能力は身につかない。積極的に自分から見ていかなければならない。「あの人良い仕事をしているね」「このB社は、最初は気づかなかったけれど、社会に良い貢献をしているね」とかね。そういうことができる能力というのは、進路を選ぶときには大事だと思います。昔でいうと、「人生いたるところに青山あり」。青い山がないなあと思っていても、実は入ってみると「お、結構良い山じゃないですか!」ということですよね。そういうふうに思った方が、僕は元気が出てきます。

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