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ヴォイス1・就職企画室インタビュー第1回

その時自分に必要とされる身のこなしを判断・提供することも能力

――北楡会母校交流会で卒業生から自分の組織に入ってくる後輩について、北大生は必ずしも入社して即戦力とはならなくても、4年目、5年目から力を出してくる、という声がありました。そういうところは、2、3年で自分で固めてしまったキャリアビジョンと違うからといって辞めてしまわない、北大生の適応力と言いますか、大器晩成型と言えるのでしょうか。

写真:金子 俊一 教授

それは、確かにあると思いますよ。もちろん、早く立ち上がってそれをずっと継続するのが一番良いんでしょうけど。北大生は奥手というか、大器晩成型と言えばかっこいいですね。そういう粘り強い特性みたいなものは、広い意味で持っていると思います。僕の個人的な印象ですけど、大学の特性というか、大学の置かれている状況とも関係しているかもしれませんね。僕は東京の大学にも16年いたんですけど、北海道と東京では、情報の量が違うんですよね。東京大学をはじめとして、慶応、早稲田があって、大学がたくさんありますよね。北大とそういうところの情報の流れはかなり違うんですよ。東京の早い流れの中に入っている人と、北海道の遅い流れの中に入っている人がどういう泳ぎをするかということの違いとも言えます。東京なんかは情報の流れがすごく速いし、情報の量も多い。例えば、企業説明会もたくさんあるし、その説明会場に行くにもお金がかからない、電車賃だけで行ける。そうすると、情報がとにかく来る。だから、その情報を素早く処理する能力が必要ですし、大学として最先端で情報を処理していくということを研究にも位置付けるということが結構多いんですよ。だけど北大は幸か不幸か、そこから離れている。きっと、情報の流れが遅いんですね。そうすると、そういうところで大学を維持していくためには、最先端の内容を研究テーマにするよりは、じっくり、基礎的な研究テーマを持っていらっしゃる先生の方が多いような気がするのです。北大の学生は、そういう研究テーマを先生と一緒にやっていきますから、学生時代に、物事は外の様相ではなく「根元」が大事なんだと気付くのではないですか?そういった教育をされているのかもしれませんね。ただ、そのことはそのこととして、北大生がよく言われることは、やっぱりもう少し世間の知識は持っていてもらった方がいいですよね。言葉の操り方とか、人にアピールする力も含めて。人当たりが良くて、コミュニケーションができて、情報も素早くキャッチできて、身のこなしも良くて、センスが良くて、みたいなね。いわゆる、今風で言うと「イケメン」。例えば、時にはあえて早口で話さなければならないこともありますよね。その時自分に必要とされる身のこなしをすること。ケースバイケースですよね。そういう能力は、これからもっと必要になると思いますよ。そういうことを就職企画室のガイダンスでも意識付けはしました。

それと、僕は研究科全体の就職企画室の室長でもあるけれど、一専攻の就職企画室員でもあるから、僕の専攻の学生には研究科の会議室を借りて土曜日を3回くらい使って面接指導をしましたよ。個別の面接指導とか、そういうことをあまりされない専攻もありますし、去年は僕の専攻もやっていなかったかもしれないですけど。面接指導には専攻の学生の40%くらいは来たかな。二度も三度も来た学生もいましたよ。僕の場合は、娘が去年就職活動をして今年の4月に就職したこともあって、娘が就職活動しているときに読んでいた就職活動のための本が手元にあったんですよ。それを借りて読んでみたら、すごく勉強になったんです。これは学生に伝えた方が良いぞと思って。それは第3回のガイダンスの資料で1ページに集約しています。(図1)

僕の研究室の話ですが、去年、学生に専攻の面接指導プラスアルファで、マナー講座を2回くらいやりましたよ。僕の高校の同期で、高校のマナー教室をやっている人がいるんです。その人を連れてきてやってもらいました。その同期の名刺には肩書として、「コミュニケーションデザイナー」って書いてある。コミュニケーションをデザインする、要するに、何か自分がものを持っているんだったらそれを人に伝えていく、ということです。北大生に足りないのは、自分が持っているものを人に伝えるスキルだとよく言われます。力とか、知識とか、人間性とか、何かは持っている。特に北大生が人間性が強いというわけではないけど、何かを持ってはいると思うんです。せっかく持っているんだから、就職の場合には、それを企業の人に伝えられないとね。特に「伝える」っていう力を学生にはつけてもらいたいなと思っています。

写真:金子 俊一 教授

図1/金子先生オリジナルの面接試験準備の資料

(2012/01/11)
<第2回に続く>

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