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ヴォイス1・就職企画室インタビュー第2回

キャリアビジョンは固定のものではない

就職企画室は、企業との約束、学生との約束

――今まで研究室運営を中心に人材育成をされていて、昨年就職企画室の担当になってから、就職企画室のイベントの運営の想いや意図に、その育成を反映させる部分もあったのでしょうか。

写真:金子 俊一 教授

金子 僕の個人的なやり方でできるところは、かなり反映させましたよ。例年ガイダンスは2回実施しますけど、今年は3月の大震災への対応があったので1回増やして、3回ガイダンスを行いました。3回目のガイダンスの資料の主だったものは僕が個人的に作ったものです。震災の影響で、企業の採用活動の時期が変わることもあって、学校推薦も4月から始まるのか6月に始まるのか、学生にとって、この2か月というのはすごく大きいことでしょう?学校推薦が2か月延びるかもしれない。そうすると、学校推薦をもらって受ける企業より先に、自由応募で受ける企業の採用選考が大詰めを迎えるとか、進学が決まることもあるわけですから、学生の自由応募の取り組み方も震災前とは少し変わってくるでしょう。だから僕も震災の後は、より一層緊張して臨みましたよ。第3回のガイダンスで学生には、自由応募について今までよりはきちんと位置付けてやりなさいよ、と説明しなければならないし、学校推薦の大事さも理解させるように説明しなければならない。学校推薦で受けた、内定が出てそこへ決めた、にもかかわらずそれを蹴るとかそこに行かない、ということはいけないよ、ということですよね。就職企画室は日頃学生に「おまえらの味方だぞ」と言って活動している。でも、学校推薦も大事にしようね、ということです。そういう意味では、第3回のガイダンスでは、研究室運営の価値観とかノウハウとかを盛り込みましたけどね。

――この1年経験されたこの就職企画室の運営というものも、また逆に研究室運営に反映されていく、ということですか。

金子 もちろんそうですよ、特に室長をやると。私が就職企画室長として会った企業のリストがここにあります。150社くらいあると思います。専攻の就職企画室員として会ったものもあります。それぞれの企業ごとにメモを作って、会社案内・内容とか、離職率とか、先輩が何人行ったとか、社風だとかを書きました。離職率は必ず聞くようにしましたね。就職企画室の活動では、企業に対してただ頭を下げるだけではないんです。就職企画室の態度としては、大事な学生を企業に提供していくわけですから、その学生を幸せにしてもらわなければならない。「あなたのところは、うちの大事な学生を幸せにできますか?」と聞きます。「幸せにできますか」と漠然と聞かれたら、企業も「はい」と言うでしょうね。でもきちんと聞くためには、3年離職率をきちんととっていますか?社内研修はどうしていますか?と問う必要があるのです。だから、特に離職の状況は強く聞きましたよ。給与とかは求人票に全部書いてありますから、そういうことは聞きません。僕が必ず聞いたのは、そういった、「就職後に学生をきちんと幸せにしてくれますか?」ということです。

でも一方で、博士を採ってください、といったお願いはしていかなければならない。研究科で博士後期課程の学生が四十何人いますから、企業には、「良い学生がいるんです、積極的に採ってくださいお願いします」と、いわゆる「営業マン」みたいな売り込みもしますよ。売り込みをすると同時に、うちの学生を入社後に幸せにしてくれるんですねという約束もしなければならない。僕ら就職企画室は、うちの大事な学生ですからきちんと幸せにしてくださいよ、というある種のハードルにならないといけない。ただただありがとうございますというわけではない。変な企業はないと思いますけど、僕らがハードルになるためには、そういうことも油断なく見ていくことも必要だと思います。だから企業の人との面談が必要ですよね。ただ求人票をぽんと送ってきた企業の給与が良いから学生を推薦して行かせるということではないですよ。就職企画室はそういう仕事にもなると思います。

(2012/02/02)
<第3回に続く>

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