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ヴォイス1・就職企画室インタビュー第3回

キャリア支援は就職企画室員が一方的に作るものではない

――今回のインタビューを学生、そのご家族の方が聞いたらとても心強いと思います。

写真:金子 俊一 教授

金子 心強いと思ってもらえるとありがたいけど、その分けっこう就職企画室員は大変ですよ。企業との面談にも時間拘束されるし、やっぱり神経使いますよ、間違いがあってはいけないですからね。学生は一生に1回、就職で一生を決めるものではないとは思いますけど、一生を決めないからといってキャリア支援の運営をいい加減にされては学生がかわいそうですよ。だからちゃんとやらなければならない。でも僕は事務仕事が不得意なんですよ。研究室も秘書がいないとやっていけないし、就職企画室も大須賀さんがいるからやっていけました。僕はむしろ人材育成というか、人を見て「あなたはこの力がすごいね」とか「君はこれに向いているね」ということを言うのは得意なんですよ。でも、きちっと決められた形式が要求される事務仕事は得意ではないから、研究室のそういう仕事は秘書に全部まかせています。それ以外のこと、気持ちとか、心とか、何か起こったときに責任とるとか、そういうことはやります。就職企画室についても、学校推薦が間違いなく発行されていかなければならないとていう仕事は僕は得意じゃないから、大須賀さんのサポートは本当に強力でしたよ。だから情報科学研究科の事務のサポートはありがたいと思いますよ。そういう意味では、学生はメリットをすごく受けていると思いますね。それに、就職企画室に限った話ではないですけど、基本的にはキャリア支援という活動自体も僕らが一方的に作るものではないと思っているんです。そういう意味では研究室の運営と同じで、キャリア支援というものに学生も参加してほしい。研究室運営を例にするとわかりやすいけど、研究室にはスタッフがいて、学生がいて、秘書もいる。スタッフが全部作ったところに学生がお客さんでいるんだという意識では絶対だめ。学生も作る側、作っていく一員なんです。研究室の利益をいただくという立場だけじゃない。自分が作った研究室だからこそ、後輩の面倒を見たり、先輩として遊びに帰って来たりする。だから、以前話した「人にかわいがってもらうことが大事」っていうのは、そういう意味なんです。

――去年コンピュータサイエンス専攻で学生が主催した研究室対抗のイベントがありました。そういった学生の主体性を重視する先生が他の専攻にもいらっしゃるというのは、やはり、研究科として先生たちが学生に「こう育ってほしい」といった共通の想いが出ているのでしょうか。

金子 大学というのは、そういうスタイルの活動がしやすいんじゃないですか。情報科学研究科ができて7年が経って、研究室がかなりまとまってきていますからね。でも大学だけではなく、小学校も中学校も、やっぱり参加型というのはいまは大事なんじゃないですか。特に少子化傾向があるから、家庭の中では子供たちはお客さんのような存在でしょうか。だからせめてそういう学校とか地域社会に、自分から参加していくというのは、すごく大事になると思います。僕の研究室での活動、就職企画室員としての活動は、いちいち研究科の先生方全員の考え方を聞いて合わせたり、研究科の理念を意識して合わせようとしているわけではないけども、自然に考えていると合ってくるんじゃないですか。それに僕は、最近の学生が参加型を好まなくなったということでもないと思いますよ。基本的には人間というのは100年、200年では変わらないと思いますから。ファッションとか髪型とか言葉づかいとか、そういう人間の「うわっつら」は影響されやすいですけど、10年、20年で人間はそんなに変わらないですよ。

僕の研究室には学生の研究室長がいて、今は修士課程1年の女子学生がやっていますよ。実際の予算の権限は持たせていないけれど、研究室の中で「コンピューター壊れたから修理に出してくれ」「あの物品買ってほしい」という声を受けて、彼女がいろいろなことを決めていますよ。偉いでしょ?でもそれは、訓練のひとつでもあるんですよ。彼女は企業との共同研究をやっていますけど、その議事録もとっていますよ。最初は議事録なんて書けませんけど、外の人に見てもらったりしながら、書けるようになりますよ。すべてが訓練ですからね。僕の研究室にはいろいろなルールがあって、そのルールは「大臣」っていうのが決める。コンパ大臣から始まっていろんな大臣がいて、彼らが研究室のイベントのスケジュールだとかを全部決めています。それは学生たちが伝統でやっていますよ。だから、就職企画室の活動全般も、進路ガイダンスも、僕のやり方としては学生に「参加してね」という意識でいます。キャリア支援というものに対しても、君らも参加して、たとえばGPAを自分で計算するとか、自分でカタログを集めるとか、ホームページを調べたりして参加してね、という意識です。たとえば博士後期課程の学生なら、自分のホームページは持っていた方が良いと思いますよ。自分で自分を外にアピールできるわけですから。僕は、ドクターは自分でアピールして、自分を採ってくださいという活動をして全く問題はないと思っています。自分のホームページを作って、そこを企業の人が見て、就職企画室を介さずに自分で進路を決めていくということもありえますよね。だから、そういうふうになってくると、自分も参加するっていうことがすごく明確になってきますよね。就職企画室の先生ももちろん奮闘しますけど、学生も自分参加型のキャリア支援っていう姿勢になってくると、僕は一番良いと思いますね。

(2012/01/11)
<第2回に続く>

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