研究紹介

電子と光の情報を結ぶ
量子ドットが拓く未来の光電情報変換

現代の高度情報社会は、コンピューティング(電子情報処理)とインターネット(光通信)により支えられています。そこで、この両者を結びつける「光電情報変換」が本質的に重要になります。

将来的には、本物のような質感を持つリアルで立体的な画像情報を、オンデマンドで大量に伝えていく社会の実現が期待されます。また、極限的な高密度電子回路システムの複雑で超微細な信号配線を光に置き換える、光電融合集積回路も研究されています。

すなわち、今より遥かに高性能で、さらに電力エネルギー消費が極めて少ない画期的な「光電情報変換」技術の開拓が強く求められています。

本研究室では、このような未来の「光電情報変換」に必要な新しいナノ電子材料や光デバイス、さらには全く新しい光電情報システムの基盤技術を研究しています。

我々が注目し研究している電子材料が、半導体量子ドットです。


量子ドットを用いた光電情報変換

QD

量子ドットとは、大きさがわずか数ナノメートル程度(原子1個の大きさは0.1ナノメートル)の半導体結晶です。

この量子ドットの綺麗な結晶を非常に高い密度で作製することができれば、電力エネルギー消費量が格段に少ない高性能の発光ダイオード(LED)やレーザ素子を実現できます。

これらの量子ドット光デバイスにより、未来の「光電情報変換」システムを開拓していきます。

分子線エピタキシーを用いた自己組織化法により作製した半導体量子ドット

TEM_QD

断面構造の観察結果で、白色度は組成の違いを表します。また、輝点の一つ一つが結晶の原子に対応します。


量子ドットを用いた光電スピン情報変換

spinled半導体量子ドットを利用すると、電子スピンと光の円偏光を相互に変換する、新しい光電情報変換システムを考えることができます。

現在、金属強磁性体を用いて室温で電子スピン情報を生成し利用する、省エネルギースピントロニクス電子回路が盛んに研究されています。

この電子スピン情報を直接円偏光に変換し伝送することが可能になります。

 


0次元量子ドットと2次元電子系の新規なスピン結合ナノ構造

QWQDcoupled

ピコ秒スピントンネル注入の実証: Appl. Phys. Lett. 104, 01240 (2014).

トンネル注入後のスピンの熱安定性: J. Appl. Phys. 119, 115701 (2016).

スピントンネルを利用したスピンフィルタ効果: Appl. Phys. Lett. 108, 152103 (2016).