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新しい大学院生に贈る言葉

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、4月1日に開催を予定していた令和2年度大学院(修士課程および博士後期課程)入学式を中止せざるを得ない状況となりました。直接お祝いを述べるべきところですが、大変残念ながらこの場でご挨拶申し上げます。

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

令和2年4月、私たちの大学院情報科学院に、修士課程196名、博士後期課程31名の皆さんを迎えることができました。

現在、世界は、デジタル化・ICT化の進展により、大きな変革の時期を迎えています。2004年に、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した「DX(デジタルトランスフォーメーション:Digital transformation)」が、十余年を経て、現実のものになろうとしているのです。DXは、「進化したデジタル技術の浸透で、社会をより良いものへ変革する」という概念ですが、この「変革」は、単なる変化ではありません。既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものを指しています。

我が国でも、通信インフラの強靭化やIoTの浸透、AIの高度化などにより情報技術が広く普及し、新しい社会の実現に向けて、AI、IoT、ビッグデータ、セキュリティおよびその基盤となるデータサイエンスを担う人材の確保が喫緊の課題とされ、情報科学分野の人材育成が強く求められています。

情報科学院は、世界で必要とされる情報科学分野の教育と研究を通じて、幅広く深い学識を有し、国際性を備えた技術者や研究者のイノベーションリーダーを育成することを目指しています。その教育課程や体制は、全国的にもユニークなものとなっています。下に、その特徴をご紹介します。

本学院には、情報科学を中核とし、5つの多彩なコース(情報理工学、情報エレクトロニクス、生体情報工学、メディアネットワーク、システム情報科学)が配置され、所属するコースでその専門を深く学び(主専修)、他のコースで異なる分野を学ぶ(副専修)、双峰型教育カリキュラムを提供しています。また、どのコースに所属しても、プロジェクトマネジメントスキルを獲得するための実践型科目や、文学・法学の教員が担当する文理融合型科目、さらには、世界トップレベルの外国人教員が担当する国際連携情報学科目を履修することが可能です。国際的な視野と実践力を身につけ、境界領域における知識を獲得できるよう、工夫したカリキュラムとなっています。

さらに、情報科学院には5つの連携分野があり、物質・材料研究機構や産業技術総合研究所、JAXAなどの国立研究機関をはじめ、NTT、NTTドコモといった企業の研究者が数多く参画しています。基礎研究から社会実装までを視野に入れた研究環境で、皆さんの研究活動を支援しています。

本学院に、皆さんを迎えるにあたり、お話させて頂きます。

冒頭で述べたDXが現実のものとなる中、情報科学は単なる学問領域や科学技術分野にとどまらず、どのような社会を創り出していくかという「社会創造の理念」を持って取り組まなければならない分野に発展しています。

現代社会が直面するさまざまな問題は、既存の技術やひとつの研究分野で解決できない側面があり、境界領域での研究や融合研究の重要性が高まっています。これからの時代に求められるのは、まだ顕在化していない社会問題の芽を発見し、研究分野の壁を越えた広い視野で問題の本質を捉え、情報科学を駆使して問題解決に導くことができる人材です。

変革の時代に入り、情報科学の役割が技術面のみならず社会創造を担う分野になりつつある現在、それを学ぶ皆さんが創造性とパワーに満ちた新風を巻き起こすことに、世界が期待しています。先人たちの手によって培われた知見をもとに、「その先」を考え、想像し、未知の領域へチャレンジする。それこそが北海道大学の「フロンティア精神」です。

身につけた力の真価が試されるのは、前例のない深刻な事象に遭遇したときに、いかにして前進するかにあると思っています。皆さんが得る知識や経験は、その後に直面する問題に果敢に取り組む力の礎となります。失敗を恐れず、どうぞ挑戦して下さい。

皆さんの学生生活が、実り多く充実したものになるよう強く願い、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。

令和2年4月

情報科学院長  長谷山 美紀    

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