概要
「デジタルヒューマン情報学特論」は毎年度10~11月頃に集中講義として開講します.
本講義では,身体機能の計算機モデルを構築し,製品設計やサービス設計へと応用するためのデジタルヒューマンモデリング技術について学びます. 具体的には,身体機能の基礎,身体機能の計測方法,そしてモデル化に必要な数理学を習得した上で,デジタルヒューマンモデリングの具体的な事例と応用事例を体系的に理解することを目的とします.
計画
序論(1回):デジタルヒューマン情報学に関する基本的な概念を学びます.
身体機能基礎・計測(3回):身体機能の基礎とその計測方法を学びます.
- 筋骨格系・神経系・循環器系など身体の生理・解剖
- 身体寸法や形状の計測
- 関節運動・慣性特性など身体の運動・力学
- 運動の計測,知覚特性・ 認知特性など身体の心理・認知
- など...
デジタルヒューマン数理(3回):デジタルヒューマンモデリングのための数理学を学びます.
- 身体形状のモデル化に必要な形状幾何学・特徴点抽出・形状変形
- 身体運動のモデル化に必要な運動学・動力学,身体機能
- 行動のモデル化に必要な回帰分析・多変量解析・ベイズ推定
- など...
デジタルヒューマンモデリング(5回): デジタルヒューマンモデリングの具体的な事例を学びます.
- 計測した身体寸法を用いた個人別形状 モデルや統計的形状モデル(代表形体)の生成
- 計測した運動データを用いたサンプルベースド運動生成
- 最適化と動力学演算を用いた運動生成
- SD法や評価グリッド法を用いた主観評価の定量化
- など...
デジタルヒューマン応用(3回):デジタルヒューマンモデリングの応用事例を学びます.
- 製品の使いやすさ評価(エルゴノミックデ ザイン)
- 製品の安全性評価(セーフティデザイン)
- エンターテインメントやサービスへの展開
- など...
評価
講義の内容に関するレポートを適宜課し,授業中への出席状況などもあわせて学習の達成度を総合的に評価します.
教材
講義資料を配布するとともに適宜参考書を示します.
要件
システム工学ならびに情報工学の基礎を学部において履修していることが望ましいですが,必須の条件ではありません.