北海道大学大学院 情報科学研究科 メディアネットワーク専攻 メディア創生学研究室

研究紹介

半開示スクランブル法に関する研究

「視覚特性を考慮した半開示動画スクランブル法」

従来手法は,動画の内容にスクランブル動画の画質が左右されてしまうという問題を抱えている。 そこで,視覚特性を考慮した画質制御が可能なMPEGスクランブル法を提案する。 提案手法では,スクランブル動画の目標画質を指定し,その目標画質に合わせて量子化後DCT係数を増減する。 この際,視覚特性を考慮した増減量の補正を施すことにより,スクランブル動画の画質が動画の内容に左右されることを防ぐ。

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「動きベクトルの変更による半開示動画スクランブル法」

本研究では,動きベクトルの変更量調節による半開示スクランブル技法を提案し,スクランブルによる画質制御を行う方法について考察する。

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「半開示動画スクランブル法に適した電子透かし法」

半開示スクランブル動画に電子透かしの技術を用いて,利用者情報を透かしデータとして埋め込み,スクランブル解除後の動画に透かしデータを残し,動画の不正な再利用を防止する。 本研究では,DCT係数交換による半開示スクランブル法に適用可能な電子透かし技法を提案するとともに,スクランブル解除処理によって透かしデータが消えないことを確認し,提案手法の有効性を確認する。

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「音声に対する半開示動画スクランブル法」

本研究では,定量的な音質制御を可能とするオーディオ半開示スクランブル手法を提案する。 提案手法では,オーディオ信号をMP3 フォーマットへ符号化する際に量子化後の修正離散コサイン変換( MDCT ) 係数を変更する。 このとき,SNR ( Signal to Noise Ratio ) に基づき,MDCT 係数の変更量を制御することで,音質の劣化制御を定量的に行うことが可能となる。 提案手法の有効性を確認するため,実際の映像コンテンツに含まれるオーディオ信号の多様さを考慮し,提案手法を適用した音声,音楽,音楽が付与された音声を用いて音質の劣化に対する主観評価実験を行った。

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「DCT係数の交換による半開示画像スクランブル法」

従来の半開示画像スクランブル法においては,作成されるスクランブル画像の劣化度合いを定量的に制御できたが,ファイルサイズが増加してしまうデメリットがある。 そこで,スクランブリングによるファイルサイズの増加を最低限に抑え,かつ,客観的指標を用いた定量的に画質制御が可能な半開示画像スクランブル法を提案する。

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電子透かし法に関する研究

「モアレを用いた電子透かし法」

身近にある被写体がデジタル写真として簡単に流布されるようになったため,被写体に含まれる著作権や所有権などの利権をどのように保護するかが課題となっている。 その解決法の1つとして,モアレを用いた電子透かし法を提案する。 この手法は,撮影距離やカメラの仕様を考慮し,被写体の中にモアレ誘発パターンを埋め込んでおくことで撮影写真にモアレを発生させ,透かしデータが現れるようにするものである。

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ステガノグラフィ法に関する研究

「複雑度分布を用いた画質と埋め込み量それぞれの分散値の低減」

BPCSステガノグラフィ法において埋め込み後の画像の劣化度と埋め込み率それぞれの分散値を低減する手法を提案する。 提案手法では,複雑度判定によって得られた複雑度とその複雑度を持つマクロブロックの個数からなる複雑度分布を用いて,複雑領域判定に使用する閾値を再設定する。 標準画像に対して複雑度分布を用いて閾値修正を行い,得られた新たな閾値を用いてテキストデータを埋め込み,画像の劣化度と埋め込み率それぞれの分散値の低減を確認し,提案手法の有効性を確かめた。

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