コース長/専攻長挨拶


カリキュラム


良くある質問


教員からメッセージ


先輩・卒業生の声


コース長/専攻長挨拶

コース分属を考えている学生の皆さんに「大事な話」を二つします。ぜひ参考にしてください。

1.電気電子工学コースでは、「エレクトロニクス、すなわち電子や光の科学技術とその応用」を学びます。
 皆さんの日常生活を思い浮かべて下さい。スマートフォンやコンピュータ、液晶テレビなど、エレクトロニクスの技術により働いている製品が数多くありますね。また、現代社会を 支えるインターネットは、レーザーを始めとする様々な光通信デバイスにより実現されています。また最近では、太陽電池やLED電球の高性能化や普及が大きな社会ニュースになっているこ とも良く知っていることと思います。
 電気電子工学コースでは、このようなエレクトロニクス技術を開発していく研究者や技術者になるための基礎を学んでいきます。さらに、エレクトロニクス技術を発展させることに より、「生活の質」を高めた新しい未来の社会が見えてきます。
 例えば、1/100や1/1000の消費電力で動く「コンピュータ」。「光通信」や「ディスプレイ」の技術が進めばリアルな画像や立体映像の配信が可能になり、多くの人達との緊密なコミ ュニケーションが築けます。また、高度な「画像処理」や様々な「レーザー光」を利用する医療の実現が期待されています。もちろん、きわめて高効率の「太陽電池」の 普及により持続可能なエネルギー低消費社会を実現することも重要な課題です。さらに次世代のコンピュータ技術により、これまで難しかった巨大なデータを自在に活用する「人工知 能」が生まれるでしょう。高度な産業用ロボットの頭脳に使われる他に、人間だけが持つ高度な知的活動をバックアップして、災害時や金融取引、医療診断などの複雑な物事に対する判断 の根拠を与えてくれるでしょう。


2. 電気電子工学コースに配属された皆さんの「将来」について説明します。
 現在、学部学生の9割は大学院の修士課程(情報エレクトロニクス専攻)に進学します。さらに、その2割くらいの人達は博士後期課程に進学します。
 このように「電気電子工学コース」から、さらに専門性を深めた「情報エレクトロニクス専攻」で学ぶことにより、エレクトロニクス技術のみならず様々な産業分野において必要な 基礎知識や学力、研究経験を得ることができます。そのため、多くの企業からの求人があり、博士課程修了者を含めた卒業生の皆さんは様々な分野の企業で活躍しています。
 例を挙げてみましょう。総合家電やコンピュータ、通信機器などのメー カーはすぐに思い浮かぶでしょう。また、あまり宣伝はしていませんが、様々な電気製品や産業機器にかかせ ない数多くの電子部品や材料を開発し供給する日本のメーカーはたくさんあり、世界的に見ても圧倒的な技術やシェアを持つ企業も少なくありません。それだけではありません。例えば、 「自動車」は今ではエレクトロニクス技術のかたまりです。数多くのセンサーからの情報を使ってエンジンや車体の動きをコンピュータにより精密に制御します。安全な走行はもちろんの こと、快適なドライブ性能や省エネ走行をきわめて高いレベルで実現しています。さらに、ハイブリッドカーや電気自動車ともなると、これはもう完全にエレクトロニクス製品ではないで しょうか。列車や航空機などの輸送機器、物流システムやハイテク工場などを実現している産業機器メーカーや重電メーカーなどでもエレクトロニクス技術が大いに活躍しています。さら に今後、大いに期待されているのが、「医療機器」あるいは生命科学への応用です。病院で用いられている様々な分析機器や画像解析技術、遺伝子などの解析にも様々なエレクトロニクス 技術が用いられています。高齢化社会では、病気をあらかじめ予防し、万一の際にも発症のきわめて初期にすぐ治療が受けられる、そんなことが可能になれば良いですね。例えば、体の調子をモニターするモバイル機器の実用化が考えられています。省電力化など環境に配慮して持続的に社会を支えるための「グリーン・エレクトロニクス技術」は、新しい電子材料、デバイス、回路やシステム技術の研究開発なしには実現できません。だからこそ、今、エレクトロニクスの発展に必要な科学技術を学んだ人材への期待は大きいと言えるでしょう。これから、そして皆さんが社会の中核として活躍するであろう10年後や20年後の未来に向けて、この電子情報コースから多くの人材が巣立っていけるよう、我々コースの教員やスタッフは一丸となってサポートしていきます。

                             平成28年度 電気電子工学コース長/情報エレクトロニクス専攻長 富 田 章 久

追記(これも大事なことです);当然ですが、数学や物理学などの基礎学力は重要です。皆さん、しっかりと勉強してぜひ本コースを目指してください。


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カリキュラム


 電気電子工学コースでは、電子工学(エレクトロニクス)に必要な基礎的な知識を学びます。電子工学は、物理や数学、化学などに基礎知識を応用し、実際に何らかの機能を持つデバイスや回路システムを構築します。講義科目は大きく4つのカテゴリに分けて構成し、電子工学関連のエンジニアとして必要とされる知識をバランスよく学べます。講義の内容の理 解度はは演習科目で強化し、実践的な内容については学生実験を通して無理なく学べます。  研究拠点大学でもあることから、各教員が推進する先端的研究に関係する研究課題を卒業研究として実施します。実際にデバイスを開発したり、新しい回路を設計したりします。 3年生の秋に研究室配属をしますので、積極的に研究をしてみたい人は3年生の秋から先端的な研究をおこなえます。
大学院では、ハードウェアに関するより専門性の高い知識を学ぶために、各種の特論科目が用意されています。また、専門外からの入学者や副専修科目履修者のための基礎的な科目もあります。研究拠点大学であるため、修士においては研究活動を重要視しています。各指導教員の推進する先端的研究に従事し、研究成果の国内・国際会議での発表を目指します。成果は論文としてまとめ専門学術誌での公表し、さらに研究を進めた、専門性を深めたい人は博士後期課程に進学します。
他専攻や他大学、企業と連携して進める研究も多く、専門性を深めつつも、幅広い視野を持つことができます。

 




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良くある質問



1. 電気電子工学コースとは?

Q. 電気電子工学コースはどんなコースですか?
A. あらゆる機器に使用されているエレクトロニクス技術について、基礎から応用まで広く深く学べるコースです。

Q. 電気電子工学コースと情報エレクトロニクス学科の他のコースとの違いは?
A. 6コースの中では、電子回路、ハードウエア、素子、電子材料、集積技術といった、実物を作る技術を志向しているのが電子情報コースの特徴です。

Q. 物理学科、応用物理コースなど類似の研究を行っているところもあるようですが、これらの学科・コースとの違いはなんですか?
A. 電気電子工学コースのカリキュラムは、電子回路・素子の実物を成す「ハードウエア」、それを制御する「ソフトウエア」、複数の機能を総合して効果的に働かせる「システム」 についてバランスよく学べる構成になっています。

Q. 電気電子工学コースを卒業するとどのようなスキルが身に付きますか?
A. エレクトロニクス技術の根幹となる基礎知識や考え方が身に付き、社会に出てから求められる応用力の源となります。新たな技術に接するとき、物理学の原理に基いて理解し、工 夫し、提案できるようになります。

Q. 電気電子工学コースには先生がどれくらいいますか?
A. 13研究室に40人近い教員がいます。学生定員に比べ教員数が多いので、手厚い指導を受けられます。

Q. 大学院入試の情報はどこにありますか?
A. 情報科学研究科のホームページにあります。リンク


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2. 授業について

Q. 電気電子工学コースにはどんな授業がありますか?
A. 電磁気学、ディジタル回路、情報数学、量子力学などの基礎科目に加え、エレクトロニクス技術の主役である電子・光、回路・デバイス(素子)、通信・情報処理に関連した科目 群が用意されています。

Q. カリキュラムはどのように構成されていますか?
A. 2年次の学科共通基礎科目(一部コース専門科目)から3・4年次の専門科目へと進みます。講義(必修・選択)、演習(必修)、実験(必修)があり、講義で学んだことについ て、演習で具体的な問題を解き、実験で実物を使って確かめることで、理解を深めます。4年次には卒業論文のための研究をします。

Q. 実験ではどんなことをするのでしょうか?

A. 講義で教わったことを実物で確かめます。
  電磁気学の法則を測定して確かめたり、
  電子回路を組み立てて動かしてみたり、
  電気回路や電子素子の応答を観察したり、
  光に含まれる情報を読み取ったり、
  結晶の構造を観察したり、
  信号を送って装置を制御したりします。
結果について考察し、まとめる力を身に付けることを重視しています。

Q. 物理や数学はどの程度勉強している必要がありますか?
A. 高校の物理、数学で習ったことが基本です。専門科目で必要な知識は、複数の科目で何度もおさらいをしながら身に付けることができます。

Q. 授業は難しいですか。ついていけますか?
A. 複雑なことを教えるときは基礎に戻って丁寧に説明し、わかるように教えます。皆さんきちんとついてきています。

Q. プログラムを作るのは苦手です。大丈夫でしょうか?
A. 大丈夫です。プログラムを作る授業もありますが、全員が分かるように教えます。


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3. 進路について

Q. 大学院はどんなところですか?
A. 学部(コース)では勉強が中心ですが、大学院(専攻)では一人一人が自分のテーマを持って未知の問題に取り組みます。問題の設定と解決の方法を身につけます。電子情報コー スの教員・研究室は、大学院(情報科学研究科)では情報エレクトロニクス専攻に所属しています。

Q. 大学院に進む人は多いですか?
A. 学士課程(4年)卒業後、9割以上が修士課程(2年)に進みます。更に博士課程(3年)にも、例年、定員を満たすか少し超えるくらいの進学者がいます。

Q. 博士課程に進むと就職し難くなると聞きましたが、本当にそうなのでしょうか?
A. 当コースの専門分野では企業も公的機関も研究開発が盛んなので、博士課程修了後の就職先もたくさんあります。


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4. 研究について

Q. 研究テーマにはどんなものがありますか?
A. 集積回路や素子の中で電子がどう振る舞うか、光でどのように情報を伝えるか、磁性体にどのように情報を蓄えるか、集積回路をどのように設計し作るか、などです(卒業論文・ 修士論文の題目一覧が参考になります)。実験、理論、数値計算などの面から研究に取り組みます。

Q. 学生も学会に参加できるのでしょうか?
A. 国内外の学会に参加し、早ければ4年生から卒業研究の成果を発表したりします。修士課程修了までに数回の学会発表を経験します。


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5. 就職について

Q. 卒業後はどんな仕事をするようになりますか?
A. エレクトロニクス機器に関連した研究・開発、設計・仕様策定、製造・試験、工程管理など、様々です。

Q. 就職先はどんな業種ですか?
A. エレクトロニクス技術はどの分野でも必要とされています。電気系製造業を中心に、自動車・機械、情報・通信、医用機器、ソフトウエア、社会基盤(電力、交通)、運輸・流通 、環境・資源、宇宙など、あらゆる分野から求人が来ます。

Q. 電子情報コースは就職に有利だと聞きましたが、どうしてですか?
A. 産業界で必要とされ、しかも広い分野に通用する技術や知識を身に付けられるからです。研究も社会で求められる実用性・将来性を意識したテーマが多いです。

Q. 大学院に進学しないと就職できないということはないですか?
A. 学部卒でも就職先はたくさんあります。研究開発の仕事をしたい人には、大学院での研究活動を通じて問題解決力を鍛えることをお勧めします。

Q. 研究テーマで就職先が決まりますか?
A. 学部卒業・修士課程修了で就職する場合、あまり研究テーマには束縛されません。特定の専門性を求める企業もありますが少数派で、全く研究テーマと異なる分野に就職すること もあります。博士課程修了で就職する場合は、就職後の仕事で使う技術が研究テーマになっていると決まり易い傾向があります。


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教員からメッセージ

本久順一 教授


集積電子デバイス研究室

-知能的で新しい集積回路を実現する-
画像・音声を含む複雑な情報に対して、既存の処理にとらわれない新規システムや具体的な回路構成の創出に挑戦します。革新的な情報処理システムの基本となる新しいナノデ バイスを探索し、その特徴を活かした集積回路を創出します。

〒060-0814 札幌市北区北14条西9丁目 情報科学研究科棟 3F
TEL: 011-706-6508
e-mail: motohisa(at)ist.hokudai.ac.jp


Q. 出身地と出身大学を教えてください。
A. 高知県の出身で東京大学を卒業しました。

Q. 学生の頃は、どのような学生生活を送っていましたか。
A.あまり自慢できないのですが、サークル中心の生活でした。比較的大きな規模のテニスサークルに所属していたので、4年生の夏までテニス漬けでした。他のテニスサークルとの間で 大きな大会があり、レギュラーになれるように頑張っていましたが、残念ながら…なれませんでした。

Q. いつ頃から電子工学の道に進もうと思っていたのですか。またそう思うようになったきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
A.小学生の時に、電子ブロックというおもちゃでよくで遊んでいました。また、友達のお父さんがテレビを修理していたところを見たことがありました。そういったことから、小さい 頃から半導体やデバイスといったものに興味がありました。

Q.電気電子工学コース(学部),情報エレクトロニクス専攻(大学院)はどういったコース(専攻)なのでしょうか.
A. PC、カメラなどの、我々の生活に密接につながっているデバイスを作っているところが面白い学科です。特にこのコースは基礎的な部分でそれらを支えています。他には、会社を経 験した実績のある先生が多いため学校内だけではなく、社会とのつながりが豊富なコースです。

Q. 電気電子工学コースや情報エレクトロニクス専攻で勉強や研究をした方が良いと思われる学生はどのような学生でしょうか。
A. モノづくりに興味のある学生ですね。世の中に役に立つモノ、新しいモノを作ることが面白いと考える学生には来てもらいたいです。

Q.現在,先生はどのような研究をされているのでしょうか。
A.化合物半導体のナノ構造の作製と、それを使ったデバイス応用を研究しています。特に最近はナノワイヤーについて興味があります。

Q. この研究は将来どのようなことに役立つのでしょうか。
A. 半導体ナノワイヤーなどを大規模集積回路(LSI)に応用することで、今より高性能なCPUなどが作れるようになります。それらは,私たちの生活のいろいろなところに使われるはず で、それにより私たちの生活はますます豊かになります。高性能といっても、ただ演算の処理速度が速くなるといったことだけでなく、省エネルギー性能や、小型化による携帯性などの性 能が向上します。現在よりさらにエレクトロニクスが身近なものになるでしょう。

Q. そのような研究を行うにはどのような勉強をしたら良いですか。
A. 直接関係する科目は物性工学、半導体デバイスです。これらの科目を理解するには物理、化学、数学などの基礎的な科目を勉強していることが必要ですね。

Q. 先生の研究室では現在どれくらい学生が研究にたずさわっていますか。
A. 博士後期課程の学生さんが2名、修士課程の学生さんが6名、学部の学生さんが4名の計12名が研究室に所属して半導体の勉強やナノワイヤーの研究をなどを進めています。

Q. 先生は研究室ではどのように学生と接していますか。
A. 厳しく接しています(笑)。放任なところもありますが、『やらなければならないことに関しては厳しく!』がモットーですね。研究以外では、ジンパや飲み会を行うことがよくあり ますね。

Q. 研究室に在籍していた学生の就職先はどういったものがありますか。
A. 日立、三菱電機、キャノン、ゼロックスといった電機メーカーが多いです。他にも回路設計の日本テキサス・インスツルメンツや大日本印刷といった会社にも就職した人もいます。 就職活動は早い段階ですんなりと終わっています。

Q.分属コース選びや研究室選びをしている学部生に対してメッセージをお願いします
A. エレクトロニクスは重要な分野です。かつては、この分野は日本が世界のトップでしたが、今は違います。他の国と埋没しかねない状況にあります。これは日本が落ちてきたという よりも、他の国が追いついてきたと考えています。そのことを見ても世界的にこの分野が重要視されていることが分かります。これからは世界の人たちと協力したり競争したりしながら新 しいエレクトロニクスを切り拓いて行く必要があります.
また、高校で情報の授業があったかと思いますが、このコースでの研究は情報技術の基盤となるデバイスなどを実際に材料から作り上げたり,集積回路システムを設計したりなどのモ ノ作りが多いので,それとはまったく違った面白さがあります。


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菅原広剛 准教授


電子材料学研究室
-一つの電子の情報を光で伝える-
一つの電子に情報を書き込み、光で伝える。わずか数百個の原子からなる数ナノメートルの大きさの半導体ナノ構造を作り出します。このナノ構造に、たった一つの電子を単位 とする情報を書き込み、光情報に変換して全世界の光通信ネットワークに送り出します。
〒060-0814 札幌市北区北14条西9丁目 情報科学研究科 M棟 2F
TEL: 011-706-6480
e-mail: sugawara(at)ist.hokudai.ac.jp


Q.出身地と出身大学を教えてください。
A. 札幌生まれ、横須賀育ち、北大工学部電気工学科出身です。未だに卒業できていないです(笑)。
(注:2004年に組織の変更があり電気工学科が無くなりその一部が電子情報コースになりました.)

Q. 学生の頃は、どのような学生生活を送っていましたか。
A.真面目な学生でした。授業は最前列で受けていましたよ。そのせいか、今でも学会などでは最前列に座ってしまいます。

Q. いつ頃から電気工学の道にに進もうと思っていたのですか。またそう思うようになったきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
A.小さい頃から”博士”に憧れていました。鉄腕アトムのお茶の水博士とかの影響ですね。その頃から科学者というものはとても面白いものだろうと考えていました。研究分野を決め たのは指導教員の講義を聞いて基礎理論に惹かれたからです。

Q.電気電子工学コース(学部),情報エレクトロニクス専攻(大学院)はどういったコース(専攻)なのでしょうか.
A. このコースで学ぶ内容は、最新技術を知ろうと思ったら必ず必要になる内容なので何にでも通用します。研究内容は、授業で習ったことが頭の中でアニメーションのように思い描け たら、研究も進むと思います。

Q. 電気電子工学コースや情報エレクトロニクス専攻で勉強や研究をした方が良いと思われる学生はどのような学生でしょうか。
A. 今までわからなかったことをきちんと説明して、どのように使うべきかを考える人は電子情報コースに来るべきだと思いますね。そういう人はこのコースにバッチリ合っていると思 います。

Q.現在,先生はどのような研究をされているのでしょうか。
A.プラズマについて研究しています。詳しくは、計算機シミュレーションを使用して複雑なプラズマ現象を単純な素過程の組み合わせとして理解・説明する、という内容です。プラズ マは中身がごちゃごちゃしているのでよくわかっていないのです。そこで、シミュレーションを使って予想できるようにしたいと考えています。

Q. この研究は将来どのようなことに役立つのでしょうか。
A.替わる技術があまりない、半導体の製造装置に主に使われています。他にはレーザーや核融合なんかにも使われています。この研究は今以上にプラズマ装置の効率的な制御の指針を 得ることに役立ちます。

Q. そのような研究を行うにはどのような勉強をしたら良いですか。
A. 電磁気学、電気回路、物理、化学といった基礎科目です。数学は必要なところで十分です。

Q. 先生の研究室では現在どれくらい学生が研究にたずさわっていますか。
A. 16~17名程です。

Q. 先生は研究室ではどのように学生と接していますか。
A. 『学生は研究の仲間だと考えている』ので、研究者として対等に接し、着想や意見を尊重しています。研究以外としては、私の研究室は飲み会が多いです(笑)。一緒に餃子を作ると いったことなんかもよくしますね。学生の方から飲みの誘いがあれば、ほいほいとついていってしまいます(笑)。そういった席では趣味などの雑談もよくしますよ。

Q. 研究室に在籍していた学生の就職先はどういったものがありますか。
A. 関係業界全般に制限なしで就職しています。例えば、電機メーカー、通信、ソフト、社会基盤などですね。すんなりと就職は決まっています。

Q. まだ研究室に在籍していない学部生に対してメッセージをお願いします
A. 修士課程、博士課程へと進学し、研究職につきたいと思っています。動機は、電子情報コースでの講義や実験を通して、研究の面白さを実感できたからです。

Q. 進路の決まっていない1年生に向けてアドバイスがありましたらお願いします。
A. 私はシミュレーションを行っているのでプログラミングが中心になっていますが、あくまで研究のための道具だと考えています。計算の手順などをどのように進めていくかを書いて いくだけです。ただその際に、手順を誤解なくどのようにはっきりさせていくか、といったことは他のことでも必ず必要な技術です。論文や技術報告書など、科学技術の世界の文書すべて に通じます。プログラミング自体は道具であり、そんなに大変なことではないと思います。
また、エレクトロニクスはあらゆる分野を支えており、どの業界にでも行くことができます。将来の仕事を考えた場合、根っこを押さえているのはエレクトロニクスなのです。


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先輩・卒業生の声


生体膜の研究で社会に貢献したい
内田奈緒美さん(情報エレクトロニクス専攻 修士課程2年)



小さい頃からプログラミングや電気回路に興味があり、情報エレクトロニクス専攻に進学しました。私の研究テーマは「両親媒性分子の単分子膜」です。両親媒性分子は、人の生体膜 にも含まれていて、身近なところでは台所用洗剤や化粧品などに使われています。両親媒性分子単分子膜の構造や物性の研究は、生体膜の機能解明に繋がり、生物分野等への応用が期待さ れています。人や社会の役に立てるよう、日々実験や研究に打ち込んでいます。


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電子デバイスを究めたい
武藤 恵さん (電気電子工学コース4年)



締切当日になってもどこに移行しようか悩んでいた私は、直感的に電子情報コース(現電気電子工学コース)を第一志望にしたのですが、これが結果的には大正解でした。電子デバイ スの仕組みや動作、またその元となる物理を学ぶというこのコースは、電子機器の内部が気になるような私の性格にぴったりだったのです。名前だけ聞いたことがあるような素子の動作原 理を学んだり、実際にそれをつかって実験したり、ワクワクする毎日です。


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本質を吸収・消化し、応用できるようになる
赤穂伸雄さん(2010年度 博士前期課程修了)



 私は2005年に北海道大学の工学部エレクトロニクス学科に入学しました。2009年に同学科の電子情報コースを卒業後、北海道大学大学院情報科学研究科情報エレクトロニクス専攻に 進学し、2011年3月に修士課程を修了しました。現在(2011年)は、㈱日立グローバルストレージテクノロジーズでハードディスクの制御回路を設計するグループに所属しています。
 電子情報コースでは、電気・電子・情報に関する幅広い知識を学ぶことができました。電子情報コースの講義では、さまざまな公式や法則, 細かい計算の方法などを「覚える」こと はあまり重要視されなかったように思います。そのかわり、それらの本質を吸収・消化し、応用できるようになることが求められました(講義の負担は多くなかったので、私は幸いにも課 外活動と学業を両立できました)。
 学部3年の12月から修士課程修了までは研究室(機能システム学研究室)に所属して、専門科目の勉強と研究活動を行いました。研究室では、「指導教員と学生」の関係の枠を超えて 、まるで共同研究者のように扱ってもらえました。先生との議論で私の主張が通ることや、先生の研究について意見を求められることもあり、とてもやりがいを感じました(実際は教わる ことのほうが多かったのですが)。研究を進めるには、研究内容に関する知識やプランニングから、研究に必要なソフトウエアや装置の動かしかた, 文章・論文の書きかた, 発表のしかた など、様々な知識と経験が必要です。研究室では、実体験を通して上記のことを吸収・消化できたと思います。
 また、大学院の情報エレクトロニクス専攻では、国内学会や国際会議での学生自らによる研究発表を奨励している研究室が多いように感じます。最先端の研究に触れることができた と同時に、コミュニケーション(特に英語)の重要性を学ぶことができました。
 学部時代に吸収・消化した知識の全てが研究に生かされるわけではありませんが、それらの部分的な知識が突然必要になることがよくあります。ですので、学部時代は知識をいつで も引き出せるように(要領よく)勉強することが大切だと思います。
 キャンパスの立地(札幌駅から数分で正門)と環境(学内でバーベキュー可)の良さから、北海道大学には課外活動やアルバイトに精を出す人が多くいます。「課外活動と学業が両 立できた」と書きましたが、学部・学科・専攻・研究室によって講義・研究の負担は大きく変化します。自分の事は自分で責任を持ちつつ“何か”をやりきると良い未来が開けると思いま す。皆さん、頑張って下さい!


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「フロンティア精神」を胸にチャレンジ
大矢剛嗣さん(2006年度 博士後期課程修了)



 皆さん,こんにちは。私は2002年に北大工学部電子工学科(現在の電子情報コース)から大学院工学研究科電子情報工学専攻に進学し2004年に修士課程を修了しました。その後,当 時出来たばかりの大学院情報科学研究科情報エレクトロニクス専攻の博士後期課程に進み,2006年3月に在学期間短縮により博士(工学)の学位を取得し修了しました(余談:情報科学研究科 のホームページ内の就職実績ページで平成18年度修了者に博士後期課程修了者の情報が無いところを見ると私がこの研究科の博士修了第1号だったのかもしれません)。その後,2006年4月 より横浜国立大学大学院工学研究院に助手として着任し,現在(2011年)は准教授として研究室を運営しつつ研究・教育に日々取り組んでいます。
  大学受験当時,電気・電子・情報系(工学部,端的にはコンピュータ関係系)か, 宇宙・地球関係(理学部)の勉強をしたいと考え,悩んだ末に工学部を選択しました。入学当時は ,具体的に電気・電子・情報系の何を一番勉強したいのかまだはっきりしていませんでしたが,漠然と博士後期課程まで進むことは決めていたように記憶しています。なお,「何をしたい のか」という表現を使いましたが「何をしたいのか自分でよくわからない」というネガティブなものではなく「何でも興味があるけれどどれか一つを選ばなければいけない」というような ポジティブな考え方です。
  学部3年生になり集積回路工学分野(現在の電子情報コース 機能システム学研究室)に配属され,「集積回路」,「単電子デバイス(量子/ナノデバイス)」,「自然・生体に学ぶ 情報処理」等々最先端かつ他にはない斬新な分野に触れたことで私の「何をしたいのか」というある種の難解な問題がスーッと解けたように思います。研究室配属後は主に「単電子回路」 ,「自然・生体に学ぶ情報処理」から「単電子反応拡散システム」,「単電子ニューラルネットワーク」などについてその基礎から応用までをテーマに研究を進めました。学部・修士・博 士での研究室生活では苦労することも多々ありましたが,非常に充実した日々を過ごせたと思います。振り返ってみると研究室・先生方・先輩・同期・後輩に大変恵まれていたと改めて思 い直し,改めて皆様方に感謝しているところです。また研究を進めると, 得られた成果を学会等で発表(学外出張)をすることになります。出張についても機能システム学研究室在籍中は 国内外問わず色々な場所に行かせていただきました。これにより自分自身のアクティビティがかなり鍛えられたように思います(ちなみに,かなりの出張が1人旅でした)。
  現在,横浜国立大学で学生を相手に四苦八苦しながら研究室を運営しています。研究テーマとしては着任後に始めたナノカーボン材料の応用の他,北大時代に進めていた「単電子デ バイス」の応用を取り扱っています。どのテーマについても私が学生・院生時代のキーワードとなっていた「最先端」かつ「斬新」な内容を積極的に取り入れ考えるようにしています。機 能システム学研究室在籍当時は就職後に研究内容や研究室生活における経験が生きるとは想像もしていませんでしたが,今思えばその経験は非常に生きていると言えます。仮に学術関係の 職に就職していなかったとしてもその経験は生きたであろうと想像します。
  今,現役で研究室生活を送っている学生の皆さん,これから研究室に配属される学生の皆さん,研究生活というのは研究室でしか経験ができません。貴重な経験がとても多くあると 思います。それを生かすも殺すも自分次第ですが,ぜひ積極的に,失敗を恐れず,多少無茶なことであったとしても北大生の「フロンティア精神」を胸にチャレンジしてください。チャレ ンジして自分の限界値を上げれば上げるほど卒業・修了後に生きてきます。それが出来るのは「今」のはずです。健闘をお祈りします。


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レーザの美しさに魅せられて
伊藤輝将さん(2007年度 博士後期課程修了)



 私は2003年に北大工学部電子工学科(現在の電子情報コース)を卒業し、2005年に大学院情報科学研究科情報エレクトロニクス専攻で修士課程を修了した後、2007年12月に在学期間短 縮により博士(情報科学)の学位を取得し修了しました。
 大学時代は、レーザの美しさに魅せられ(というより研究室の陽気な先輩方の面白さに魅せられ)、光エレクトロニクス研究室に入り、ホログラムを使った光記録の研究に取り組み ました。卒業後は、縁あってソニー株式会社の研究開発部署で仕事をすることになり、現在(2011年8月)は、会社の公募留学制度を利用してハーバード大学で研究修行をさせてもらってい ます。私の専門である光・レーザ技術でバイオ・医療の世界を変えることが当面の目標です。
 博士課程に進学することについては、私が当時研究に100%本気で、自分自身が成長できるという確信があったため全く迷いはありませんでした。学生当時、私の指導教員だった先生 には、無理をお願いして多数の国際会議に出させていただき、その分野の第一人者の研究者の方々と熱く議論する機会をいただきました。この経験は今の私にとって大きな財産となってい ます。
 最後に、先輩として一つだけアドバイスをさせてください。最近はますます大学生の就職活動が盛んになってきていますが、研究室選びも自分の将来の方向性を決めるという意味で 就職活動と同じくらい重要な選択です。これから研究生活を始める方は、ぜひとも時間をかけて自分に合った研究室、恩師や仲間を見つけてください。それでは、皆さんのこれからの学生 生活が実りあるものとなることを願っております。


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負けず嫌いでいること
田中順也さん(2007年度 修士課程修了)



 私は2008年に北大工学部電子情報コースを卒業、2010年に大学院情報科学研究科・情報エレクトロニクス専攻(光エレクトロニクス研究室)で修士課程を修了しました。大学時代は、3 次元光記録方式としてホログラフィックメモリの研究に取り組んでいました。光ディスク1枚あたりの記録容量が「テラバイト」を超えるという桁外れの可能性に非常に魅力を感じました。
 現在は、理系の院卒でありながらKDDI株式会社でトヨタグループ向けに法人営業を行っております。一番のやりがいは固定電話や携帯、社内ネットワーク(イントラ)など、現在の 企業活動の根底を支えているサービスをすべて自らの手で組み合わせて提案&提供できるということです。(皆さんが今後就職される企業では、必ずと言っていいほどこれらのサービスが 利用されていると思います。)また、3月の東北震災の直後に会社全体が一体となって復旧に取り組んだ際には、通信事業者としての責任の大きさを改めて感じさせられました。
 皆さんへのアドバイスを一つするとしたら、どんな環境や仕事においても「負けず嫌いでいること」です。就職したら自分の好きなことに従事できる人は、正直稀です。その環境・ 仕事に応じて、自分自身で目標を設定し、それに向かって負けずに取り組んで下さい。そうすれば、どこに行っても、どんな仕事をしていてもやりがいを感じられると思います。


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小さな研究室の部屋から世界に向けて研究を発信
上野憲一さん(2009年度 博士後期課程修了)



 みなさん、こんにちは。私は2009年度 情報科学研究科 機能システム学研究室の博士課程を修了しました。在学中は修士・博士課程に渡り超低消費電力で動作するアナログLSIの研究 をしていました。研究の目的は、現在のLSIと比較して消費電力を100分の1程度に減らして、ボタン電池で10年以上に渡って連続動作させるLSIの実現でした。 現在は、外資系半導体メーカのアナログ・デバイセズ株式会社でアナログ集積回路の設計・開発を行ってます。志望の理由は、世界一のアナログ集積回路技術を持っている会社で世界 に向けてインパクトのある仕事がしてみたかったからです。
 大学院では、自分の研究を海外で開催される国際会議で発表する機会が多くありました。そのため、小さな研究室の部屋から世界に向けて自分の研究を発信している自覚があり、普 通の環境では体験することが出来ない経験をすることができました。 私の研究はとても実用に近いLSIの研究であったため、ありがたいことに就職してからも研究を通して学んだ知識や経験を会社でそのまま活かすことができました。大学院での研究をそ のまま会社で100%活かせる環境はなかなか少ないと思いますが、私のような環境でも、仕事で数多くのわからない事や、様々な問題に直面します。就職してから感じるのは、このような問 題に直面した時の対処方法や、調査方法、問題解決の方法を大学院での研究を通して自然と学んでいたように思います。
 大学院での研究は答えが一つでは無く様々な角度から問題解決方法や新しいアプローチを提案することができます。実際には初めは分からないことだらけで、すぐに答えが見つかり 解決できるものではありません。長期間にわたる研究でつらいこともありますが、世界で誰も提案していない問題解決方法や新しいアプローチをひらめいた時の達成感は何ものにも代えが たい経験です。
 ぜひ皆さんも、大学院でおもいっきり研究をしてみて下さい。就職後のみならず、今後の自分の人生を大きく変える経験になると思いますよ!


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