コースの教育・特色

電気制御システムコース,システム情報科学コースの教育の特色です.


教育システムの概要

大学における教育システムは,大きく1年生から4年生までの学部と,学部を卒業後に進学をする大学院に分けられます.北海道大学の場合,学部1年生は総合教育部に所属し,2年生なるときに希望する学部/学科/コースへと配属されます.

電気制御システムコースに配属した場合,2年生の間は主に情報エレクトロニクス学科での基礎的な専門教育を受けます.

3年生になるとコースの専門科目の講義・実験・演習が中心となります.また,3年生の秋には研究室配属が行われ,卒業研究を実施する上での基本的な知識とスキルの習得が始まります.

4年生では各研究室ごとでの卒業研究が学習の中心となります.また,科学技術英語演習や電気主任技術者の資格取得のための講義履修なども行われます.

大学院は情報科学院情報科学専攻システム情報科学コースが学部の電気制御システムコースでの学習内容を発展させて学ぶ場となっています.大学院は2年間の修士課程と3年間の博士後期課程に分かれます.

大学院修士課程では,講義の履修と修士論文のための研究が中心となります.それに加えて,本コースでは他研究室に行き課題に取り組むイントロダクトリセミナー,中間発表会などを行うことで,幅広い教員と学生との研究交流を行っています.

博士後期課程では,専門とする分野の研究テーマを深く掘り下げて行うとともに,より広い視野を養うため,他コースの講義を中心とした講義履修も行います.

以上のように,本コースでは,全教職員が協力して,学部生から博士後期課程修了にいたるまで,一貫した教育システムのもと,体系的な教育プログラムを提供して,これからの社会に必要となる人材育成を行っています.


電気制御システムコースの特色



■ コンピュータシミュレーションだけじゃない! ハードとソフトの融合

我々が対象としているのは,実在するシステムです。

そのため,コンピュータを用いた解析や設計だけでなく,実際に手を動かす「モノ作り」も重要なファクターになります。 ときには工作機械で材料を加工し,またあるときはハンダごて片手に電子回路と格闘することもあります。

モノ作りという側面は,確かに苦労が多い部分もありますが,実際に目で見て手で触れられる実システムを制作した時の喜びは,何物にも代えられない貴重な経験と自信になるでしょう。


■ 実践的な教育プログラム

電気制御システムコースでは,実践的な知識と能力を身に着けてもらうために様々な独自の教育プログラムを用意しています。

  • SSIセミナー ~ 研究室の垣根を越えた幅広い教育
  • 科学技術英語演習 ~ 英語による実質的なディスカッション能力の習得
  • Cyber Field Research Lab (CFRL) ~ 実フィールドを意識した模擬環境での実験・演習

■ 高い大学院進学率

電気制御システムコースを卒業した学生の多くは,大学院情報科学院情報科学専攻システム情報科学コースに進学し,学部よりもさらに高度で世界トップクラスの研究に取り組んでいます。


システム情報科学コースは,電気制御システムコースの学生が配属される8つの研究室に,(国研)宇宙航空研究開発機構(JAXA),(国研)産業技術総合研究所との連系分野2研究室を加えた,合計10研究室で構成されています。 そのため,電気制御システムコースを卒業したみなさんは,大学院に進学しても,そのまま同じ研究室で研究を続けることができ,一貫した研究・教育環境を利用できます。


■ 産業界からの高い期待

本コース卒業生,あるいは大学院システム情報科学コースの修了生の就職率はほぼ100%。 OB・OGのみなさんは,国内外の多くの企業や研究所で,まさに世界の第一線で仕事をしています。

その理由の一つは,身につけた知識の応用の広さ。 本コースで身に着けられる知識や技術・能力は,特定の対象にとらわれることなく,ありとあらゆるモノを取り扱うことができます。

そのため,就職先も特定の業種に限らず,OB・OGのみなさんは多方面で活躍されています (詳しくはこちら)



システム情報科学コースの特色



■ 実世界に向き合う姿勢

情報科学院の中において,システム情報科学コースを特徴づけることは,情報科学を手段に,世界に存在するデバイスから地球に至る実システムと向き合う姿勢にあるでしょう.こうした姿勢は,研究テーマの選択にとどまらず,コース内で行われるさまざまな教育プログラムや卒業後の進路にも色濃く反映しています.


■ 魅力的な組織との連携分野

システム情報科学コースには,学部教育を担当する基幹2分野8研究室に加え,より社会との結びつきの強い教育研究を行うため,2つの連携分野を設置しています.リモートセンシング情報学分野は(国研)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携して,地球観測衛星の観測データの利用に関して教育を行っています.デジタルヒューマン情報学分野は(国研)産業技術総合研究所と連携して,身体の形状や運動を計測したり,それをコンピュータ上で再現,評価する手法を教育します.これら連携分野の客員教員を指導教員として修士論文,博士論文の研究を実施することもできます.


■ 研究室間の活発な交流

大学院ではとかくひとつの研究室内に閉じ籠りがちになります.当コースではより幅広い視野と関心を持つ人材を育成するため,いくつかの教育プログラムを実施しています.そのうちのひとつが修士1年生で実施する「イントロダクトリセミナー」で,3,4名の小グループで所属研究室以外の研究室に行き,他の研究室の先生方の指導を受けながら課題を行っていきます.また,12月に開催されるポスター形式の中間発表会では,3日間にわたり他研究室の教員や学生と討論を行います.


■ 産業界との強い連携

実システムを教育研究の中心におく当コースは,産業界と研究や人材交流の面で強いつながりを持っています.関係する業種も,電機,情報にとどまらず,電力,自動車,鉄道,重工,建設,機械など多岐にわたります.博士後期課程修了の卒業生も多くが産業界の研究開発部門等で活躍しています.



取得可能な免許・資格


電気主任技術者 (電気制御システムコース)

本資格に関する学科試験免除は,北海道大学では当電気制御システムコースのみに認められているものです.

電気保安の確保の観点から,事業用電気工作物(電気事業用及び自家用電気工作物)の設置者(所有者)には, 電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督をさせるために,電気主任技術者を選任しなくてはならないことが電気事業法により, 義務付けられています。電気主任技術者の資格には,免状の種類により第一種,第二種及び第三種電気主任技術者の3類があり, 電気工作物の電圧によって必要な資格が定められています.

北海道大学工学部電気制御システムコースは電気主任技術者免状についての認定校で,学部在学中に所定の単位を修得したものについては, 実務経験によって第一種・第二種・第三種の電気主任技術者免許の交付を受けることができます. 電気主任技術者の学科試験免除に必要な科目と単位についてはこちらをご参照ください.

教員免許 (電気制御システムコース)

電気制御システムコースの卒業要件科目に加えて,教員職員免許取得に必要な科目を取得することで,

  • 高等学校教諭一種免許状
    • 数学
    • 理科
    • 情報
が取得できます.取得に際しては様々な要件がありますので,詳しくは工学部学生便覧(冊子体)を参照してください.

その他の資格 (電気制御システムコース)

その他,電気制御システムコースの科目取得等により受験資格要件の一部となる資格として以下のものがあります.

  • 甲種消防設備士(受験資格)
  • 1級建設機械施工管理技士(受験資格,要実務経験)
  • 2級建設機械施工管理技士(受験資格,要実務経験)
  • 1級建築施工管理技士(受験資格,要実務経験)
  • 2級建築施工管理技士(受験資格,要実務経験)
  • 1級電気工事施工管理技士(受験資格,要実務経験)
  • 2級電気工事施工管理技士(受験資格,要実務経験)
  • 1級管工事施工管理技士(受験資格,要実務経験)
  • 2級管工事施工管理技士(受験資格,要実務経験)

教員免許 (システム情報科学コース)

システム情報科学コースの修了要件科目に加えて,教員職員免許取得に必要な科目を取得することで,以下の免許状が取得できます.

  • 高等学校教諭専修免許状(理科)

取得に際しては様々な要件がありますので,詳しくは情報科学研究院事務室教務担当までお尋ねください.