システム情報科学コース 学位論文LaTeXスタイルファイル

システム情報科学コース 学位論文LaTeXスタイルファイルを配布しています

新・学位論文用LaTexスタイルファイル

情報科学院になったこともあり、学位論文用LaTeXスタイルファイルを新しくすることにした。 新しいLaTeXシステムが必須になっているが、よりモダンなLaTeX環境を提供できると思われる。なお、当面は古いスタイルファイルを手直し(研究科⇒院、専攻⇒コース、など)して使っても構わない。それで作業を開始してしまっている人は、そのままでも特に問題はない。

※説明などスキップしてスタイルファイル等をダウンロードしたい方はこちらをご覧ください。

設計方針

以下の設計方針に従う。

日本語多ウェイトフォントの入手

TeXLive 2020以降では原ノ味フォントを使うので、それはそのまま使えば良い。Mac ではヒラギノを使えば良い。ヒラギノを使う方法は web上にたくさん載っているのでそれを参考にされたい (TeXLive等 のバージョンに合わせた説明を読むこと)。Windows/Linux + TeXLive 2019以前では、原ノ味フォントを

からダウンロードして、インストールする。原ノ味フォント以外では、フォントのライセンスの関係もあるので、Google Notoフォントを使うのが良いと思われる。Google Noto フォントのサイト に行き、“Noto Sans CJK JP” と “Noto Serif CJK JP” をダウンロード・展開し、otf ファイルを選択・右クリック・全てのユーザーに対してインストール、を選べばよい (Windows の場合)。“CJK JP” ではなく単に “Noto Sans/Serif JP” となっているフォントもあるが、それはサブセットなのでインストールしないこと。ただし、Noto フォントは Adobe-Identity-0 (AI0) という特殊なエンコーディングを採用していて、Adobe-Japan-1-{1...7}ではない。よって、やはりお勧めは原ノ味フォントということになる。TeXLive で日本語フォントを選ぶ方法は,LuaTeX-ja や bxjsbook では LaTeX のソースファイル中に記述し、upLaTeX では kanji-config-updmap-sys コマンドを使う(ソース中に記述する方法もある)。

C:> kanji-config-updmap-sys status
Standby family : bizud
Standby family : haranoaji
Standby family : ipa
Standby family : ipaex
Standby family : kozuka
standby family : ms
Standby family : noto (AI0)
Standby family : yu-win10
C:> kanji-config-updmap-sys --jis2004 haranoaji

kanji-config-updmap-user の設定の方が優先されるので、もし上記の設定が反映されていない場合は、-sys を-user に変えて実行してみると良い。

許可される組み合せについて

本スタイルファイルで許可される、LaTeXの処理系とメインのクラスファイルの組み合わせは以下のとおりである。これまでのpLaTeX をやめる頃合いなので、(upLaTeXじゃない) pLaTeX はサポート範囲外とした。

LuaLaTeX + ltjsbook
下にあるサンプルPDFファイルはこれで作成されている。ltjsbook.clsがLuaTeX-jaを内部で呼び出している。高速な PC を持っているならこれがお勧め。
XeLaTeX + bxjsbook
次期LaTeXシステムの主導権はLuaLaTeXに移行してしまったが、日本語環境に限って言えば、これも有力である。
upLaTeX + jsbook
いったん dviファイルを作成する方法。otfライブラリを読み込んでいるので、この組み合わせでも多ウェイトフォントを扱うことはできる。しかし、私個人の意見としては将来的に非推薦である。
(pdf)LaTeX + (scr)book
英語論文のみ。生のLaTeXを使う理由はないので、pdflatexコマンドの方を使うべき。一通り動作を確認した程度である。
LuaLaTeX + (scr)book
これも英語論文のみ。Opentypeフォントを使ったり、utf-8の文字を使ったり、一部だけ日本語を入れることもできる。

スタイルファイルとサンプルファイル

Gitに置いても良いが、ほとんどの人はアクセス不可になると予想されるので、ここに置いておく。


日本語論文用 テンプレート集

下記のファイルからどれか1つを選んでください.Unicode-mathを使うときは,thesissample.pdfの4.5節を読んでください.

ファイル名(命名規則)の解説

・LaTeXエンジン
  • lua: LuaLaTeX
  • xelatex: XeLaTeX
  • uplatex: upLaTeX
・フォント
  • simple: Latin Modernフォント
  • times: Times系フォント
  • unicodemath: Latin Modern + Unicode-Math (数式をTruetype unicodeフォントで書く)
  • times-unicodemath: Times + Unicode-Math

テンプレート集(日本語論文)ZIPファイル


英語論文用 テンプレート集

下記のファイルからどれか1つを選んでください.Unicode-mathを使うときは,thesissample.pdfの4.5節を読んでください.

ファイル名(命名規則)の解説

・LaTeXエンジン
  • lualatex: LuaLaTeX
  • pdflatex: pdfLaTeX
・フォント
  • simpleあるいは[何もなし]: Latin Modernフォント
  • times: Times系フォント
  • unicodemath: Latin Modern + Unicode-Math (数式をTruetype unicodeフォントで書く)
  • times-...-unicodemath: Times + Unicode-Math
・クラスファイル
  • [何もなし]: book.cls
  • scrbook: scrbook.cls (KOMA-script)

テンプレート集(英語論文)ZIPファイル

Tips

日本語のユーザ名の場合のTeXLiveの不具合 (Windows) Windowsにおいて日本語ユーザ名(表示名ではなくユーザ名そのものが日本語)を設定すると,ユーザプロファイルフォルダのパス名(環境変数USERPROFILEに入っているパス名です.例: C:\Users\北大太郎)に日本語が入ってしまい,それが原因でTeXLiveの動作に不調をきたします.具体的には以下の2つが代表的な症状です.その解決法もあわせて説明します.

TeXLiveがインストールできない

これはTeXLive2021のインストール時に不具合が生じることを確認しています.これは一時的な作業フォルダに%USERPROFILE%\AppData\Local\Tempが設定されるためです.

解決法: 例えばCドライブルート直下に別な作業フォルダ(例: C:\temp)を作って,ユーザ環境変数TMPおよび TEMPをそのフォルダ名に変更します.環境変数の設定方法は,最近のWindows 10ならば,「設定(歯車アイコン)」⇒「システム」⇒「詳細情報」⇒「システムの詳細設定」⇒「環境変数」から変更できます.

LuaLaTeXの文書が処理できない

これは,%USERPROFILE%\.texlive20xx以下にLuaLaTeXがフォントキャッシュを作るためです.

解決法: 日本語を含まないパス名の別のフォルダ(例: c:\texmfvar)を作り,そのパス名をユーザ環境変数TEXMFVARに設定すればOKです.

旧クラスファイル

参考までに、旧クラスファイルを以下に置いておきます。 ・旧クラスファイル