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研究室の概要

細胞や組織が生きる仕組みを理解することは、再生医療の基盤です。本研究室では、細胞や組織の物理的性質(力学的性質や電気学的性質)を明らかにし、その成果を基礎医学や医療工学へ応用することを目指して研究しています。具体的には、(1)カエルやホヤの胚形成メカニズム、(2)マウスを用いた脳や骨の老化・疾患・形態形成、(3)がん細胞の診断および検査技術の開発、(4)最先端バイオプローブ顕微鏡技術の開発を行っています。生物学、物理学、情報工学の境界にある研究分野なので、自由で柔軟な発想で研究ができます。物理学や工学の視点で生物を研究したい方、再生医療の基礎研究に興味のある方、一緒に研究しませんか。

 研究内容の紹介

生きた生物(カエル、ホヤ、マウス)を用いて、未だそのメカニズムが不明な多細胞系(発生胚、組織)の力学的性質を、世界最高峰の時空間分解能で解明しています。多細胞系の力学的仕組み(細胞メカニクス・メカノバイオロジー)の理解は、再生医療技術の基礎と言っても過言ではありません。

1. カエルやホヤを用いた発生胚形成(発生胚のメカニズム)

細胞が生み出す「力」や「硬さ」は、胚が形づくられる過程で重要な働きをしています。本研究室では、胚形成時の力学特性(メカニクス)を高精度に計測できる新しいプローブ顕微鏡技術を開発し、ホヤやカエルを用いて胚形成の物理学的メカニズムの解明を進めています。

2. マウスを用いた脳・骨の老化・疾患(生体組織のメカニズム)

組織の物理的な性質は、成長、安定、老化といったプロセスによって変化します。また、このような組織の力学特性(メカニクス)は、組織がどのように形成されるかと深く関係しています。当研究室では、マウスを用いて脳の老化、骨の形成や分解、さらに骨と腱がつながる仕組み(接合形成)の研究を進めています。

3. がんの細胞診断・アッセイ技術の開発(細胞がん化のメカニズム)

細胞の個性を理解することは、正常な細胞と病気の細胞を見分けるなど、細胞診断に重要な役割を果たします。当研究室では、生きたままの細胞を精密かつ定量的に計測できる新しいプローブ顕微鏡技術を開発しています。この技術を用いることで、1細胞レベルでがん細胞を超早期に診断できるようになることを目指しています。

4. 最先端バイオプローブ顕微鏡技術の開発(計測装置の開発)

細胞や組織のナノ・マイクロレベルの物理的性質を測定するために、本研究室が開発しているバイオプローブ顕微鏡技術は世界トップレベルです。現在はさらに、より速く、より広範囲で、そして、より正確に測定できる新しい顕微鏡技術の開発に取り組んでいます。

将来に役立つ知識や技術

学部課程では、PythonやFPGAの基礎に加え、生体試料の取り扱いや計測に関する基本技術を習得します。修士課程では、それらの基盤技術を活用し、新たな研究テーマに取り組みます。博士課程では、自らの研究テーマを体系的にまとめ上げる力を養います。

情報科学・バイオ・ナノテクノロジーに必要な技術と知識

  • プログラミング技術(Pythonなど)
  • ディジタル技術(FPGA)
  • 顕微鏡技術(光学顕微鏡・プローブ顕微鏡)
  • 生物学技術(細胞培養・ホヤ・カエル・マウスの扱い)
  • 情報学・物理学・細胞生物学・計測科学の知識

データ解析・装置制御技術

  • データ解析は、Pythonや科学計算ソフトウェアを使用しています(自分たちでコードを書いて使っています)。計測システムは、LabVIEW-FPGAをベースに開発しています(自分たちでプログラミングをしています)。

このようなキーワードに興味がある人は、ぜひ、研究室見学に来てください。

再生医療/生物学/発生/組織形成/細胞診断/細胞情報物理学/細胞メカニクス/メカノバイオロジー/装置開発/顕微鏡

所属教員

  • 教授:岡嶋孝治

お問い合わせ

住所:〒060-0814 札幌市北区北14条西9丁目 北海道大学大学院情報科学研究院
電話:011-706-7698

※メールでのお問合せは、岡嶋孝治(okajima@ist.hokudai.ac.jp)へお送りください。