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研究室の概要

「生命の最小単位である細胞を物理学・情報工学の観点で理解し、工学・医学分野への応用」を目指して研究をしています。研究内容は、(1)がん細胞診断・アッセイ技術の開発、(2)細胞疾患・老化の物理メカニズムの解明、(3)発生胚・組織形態形成の物理メカニズムの解明、です。走査プローブ顕微鏡技術、光技術、および微細加工技術を駆使して、単一細胞から細胞集団・組織までを対象にして研究を行っています。生物学と工学の境界領域の研究分野なので、皆さんの柔軟な発想で研究ができます。物理学・工学の観点で生物を研究したい方、生体医工学分野に興味のある方、一緒に研究しませんか。

 研究内容の紹介

原子間力顕微鏡、光計測技術、微細加工技術のナノテクノロジーを駆使して、単一細胞から多細胞系(発生胚・発生組織)まで幅広く研究を行っています。

1. がん細胞診断・アッセイ(細胞の個性)

ひとに個性があるように、細胞も1個ずつ個性があります。細胞の形・大きさや機能・物性は、細胞ごとに異なります。このような個性(揺らぎ)はどこからくるのでしょうか?また、細胞が生きるために、このような個性はどの程度許容されているのでしょうか?細胞の個性を理解することは、正常細胞と疾患細胞の区別など、細胞診断への応用につながります。接着性細胞を接着させたまま精密かつ定量的に計測する技術を開発しながら、研究を行っています。

2. 細胞の疾患・老化のメカニズム(細胞・組織の相変化)

細胞は正常な状態(相)から疾患・老化の状態(相)に遷移します。このような相変化はどのように起こるのでしょうか?また、異なる相の細胞はどのような相互作用をしているのでしょうか?これらの問いに対して、がん上皮単層、微小腫瘍、肺高血圧症や心筋症患者の細胞、老化マウスの組織などを用いて、正常・疾患細胞の力学的および電気的な性質を研究しています。細胞疾患・老化の物理メカニズムの解明は、細胞治療の基礎・応用につながります。

3. 胚形成・組織形態形成のメカニズム(再生医療)

細胞が生み出す「力」や「硬さ」が、組織形態形成や胚形成に重要な役割をしています。しかし、その細胞の力学挙動の詳細は不明です。この問いに対して、組織や発生胚の力学挙動をタイムラプス観察できるシステムを開発して研究を行っています。特に、現在は、顎下腺の分岐形態形成、発生胚の胚形成に着目してそれらの物理メカニズムの解明を目指して研究を行っています。本研究は、特に、再生医療の基礎・応用につながります。

4. プローブ顕微鏡を用いた細胞精密計測法の開発(計測工学)

細胞を物理学的に理解するためには、新しい計測技術の開発が不可欠です。プローブ顕微鏡を駆使して、誰もみたことがない物性の解明を目指しています。

 

将来に役立つ知識や技術

バイオナノテクノロジーに必要な技術と知識

  • 細胞培養技術
  • 光学顕微鏡技術
  • プローブ顕微鏡技術(原子間力顕微鏡、イオンコンダクタンス顕微鏡など)
  • 微細加工技術(ナノリソグラフィー)

データ解析・装置制御技術

  • 科学計算ソフトとして、主にMATLABやIgorを用いています。また、計測制御ソフトとして、LabVIEW等を利用した計測機器制御・データ解析を行っています。
  • アナログ回路やFPGAを用いたディジタル制御によるナノ計測装置の開発を行っています。

このようなキーワードに興味がある人は、ぜひ、研究室見学に来てください。

細胞診断技術/再生医療/細胞物理学/細胞工学/細胞の計測/原子間力顕微鏡/プローブ顕微鏡/光学顕微鏡

 

所属教員

  • 教授:岡嶋孝治

お問い合わせ

住所:〒060-0814 札幌市北区北14条西9丁目 北海道大学大学院情報科学研究科
電話:011-706-7698

※メールでのお問合せは、岡嶋孝治(okajima@ist.hokudai.ac.jp)へお送りください。