![]()
No.3 佐藤 孝洋さん (システム複合情報学研究室 修士課程1年)
2010.7.18-23 バルセロナ, スペイン
2010年7月。朝一番の飛行機で飛び立つこと12時間。スペインのバルセロナに夜9時に到着しました。初めての海外でした。参加した国際学会はIEEE World Congress on Computational Intelligence 2010、略してWCCI。人工知能関連の研究者が一堂に集う非常に大きな学会で、1週間にわたって開催されました。
そもそも始まりは1月。卒論真っ最中の時に、教授から「この学会に参加してみないか」とお誘いがありました。一度海外に行ってみたかったこともあり、何も考えずに「はい、行きます!」と即答してしまいましたが、その後が大変でした。ただで学会には参加できません。英語講演論文を書いて提出しなければならないのです。四苦八苦しながらも書いた6ページの原稿。しかし先生に添削していただくと、千ヵ所近くは修正されてしまいました。恥ずかしながら本当です。それでも何とか講演論文を書き上げ、無事に学会に提出。晴れて7月の学会参加となりました。
さて、そんな調子でしたが、いざバルセロナにつくと、苦労も忘れてすっかり舞い上がってしまいました。なんといっても初海外でしたので、街並みや道を歩く人の格好など、日本との違いに驚き、全て新鮮でした。しかも、学会初日は半日で終了だったので残り半日は自由時間。世界遺産も見学することができ、夕食にはバルセロナといえばパエリア。非常に満足した1日でした。
もちろん、遊びに行ったわけではありませんので、いい気になっていられるのは最初だけでした。次の日からは当然、会議の山です。各国の研究者たちが英語で自分たちの研究を発表していきます。WCCIはポスター形式ではなく、口頭発表を重視しているようで、殆どの人が口頭発表です。ところが私は殆ど発表を理解できませんでした。特にイントロダクションで理解に失敗すると後半は完全にお手上げです。この調子で自分の発表は大丈夫なのかと不安になってきます。そんな事を考えているうちにあっという間に2日が過ぎ、私の発表の日になってしまいました。朝一番のセッションだったのに、なぜか私の時だけほぼ満席。戸惑いつつも皆さんの前に立ち、ついに発表開始です。
最初はドキドキでしたが、なんとか発表は終了しました。途中、「3」を「スリー」ではなく「さん」と言ったらしいですが、悲惨な大失敗はなくて一安心しました。これもきっとシステム情報で開催する英語発表のおかげです。ですのでみなさん、ぜひシステムに!…という冗談(?)はさておき、このまま発表が終わりではありません。そのあとには地獄の質疑応答タイムが待っています。不安でいっぱいでしたが、運よく質問が簡単で聞き取ることは成功し、なんとかその場を切り抜けることができました。全て終わった後の開放感や満足感は忘れられないものがありました。その後は、先生方と夕食をご一緒しました。やっぱり本場のパエリアはおいしいですね。他にもソーセージやオリーブなどはやはり日本とは大違いです。ですが疲れが出たのか、グラス一杯のワインでダウンしてしまいました…。
発表の次の日もまだまだ学会は続きます。研究に役に立ちそうな発表を聞きに行ったり、合間をぬってバルセロナの街を見物したりと、楽しませていただきました。
初の国際学会を通して、多くのことを学びました。最初は英語論文の書き方、発表方法など。バルセロナでは異国の文化に直に触れることができました。そして、英語発表では言葉では表現できない多くのことを学べました。
正直、私はどちらかというと「いま風」な学生で、それほど海外に興味はなかったのですが、この国際学会を通して、海外に出ることの意義を非常に感じました。皆さんも、研究活動を頑張って国際学会に参加することを強くお勧めします。私も機会さえあれば、また参加したいと考えています。

HOME


