北海道大学 大学院情報科学院 システム情報科学コース
ディジタル幾何処理工学研究室
Digital Geometry Processing Lab.

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橋梁レーザ計測点群のレジストレーション



背景とねらい
現在の日本国内には2m以上の橋梁が約70万あり平均年齢が40歳超,老朽化が進んでいます.そのため,効果的な維持管理の技術がの開発が急務となっています.これは世界中で課題となっています.

本研究プロジェクトでは,維持管理データ(点検情報など)を持った橋梁3Dモデル生成を目的としています.本課題では,レーザ計測点群に基づく橋梁の3Dモデル生成を迅速に行うためのレジストレーション(位置あわせ)技術を開発しています.

レジストレーションとは,計測データごとに異なる座標系をあわせる技術です.レーザ計測では,計測器から可視な部分のみしか計測できないため,複数個所からの計測が必須となります.複数個所から計測された点群内の,対応する場所を高速に見つけ,それらをあわせる座標変換を導き出して適用する処理がレジストレーションと呼ばれます.

レーザ計測点群を利用する上では必要不可欠な処理と言えます.


動画 (264MB)


本技術はNEDO SIPインフラの成果です.


手法概要
開発手法では,橋梁の下部構造(橋脚など)や上部構造(桁,庄板など)の境界に多く見られる直線エッジを頼りに,計測データ間の対応を高速に見つけます.処理の高速化のために,点群の2次元構造化,ハッシング,RANSACといった技術を利用しています.

Research


効果
種類の異なる9種類の橋梁のレーザ計測点群に対して本手法を適用した結果,8点群~20数点群,数千万点から数億点の点群を数十秒から数分で高速にラフレジストレーションできることがわかりました.

Research


関連論文など
Hiroaki Date, Takahito Yokoyama, Satoshi Kanai, Yoshiro Hada, Manabu Nakao, and Toshiya Sugawara: "Efficient Registration of Laser-Scanned Point Clouds of Bridges Using Linear Features", International Journal of Automation Technology, 12(3), 328-338 (2018)