北海道大学 大学院情報科学院 システム情報科学コース
ディジタル幾何処理工学研究室
Digital Geometry Processing Lab.

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類似形状認識



背景とねらい
市街地などの大規模環境の計測点群は,環境を認識するのに役立ちます.例えば,車道や歩道の道路面,縁石,柱状物,ガードレール,標識などの認識は,自動運転のための地図(ベースマップ)作成や都市環境インフラ整備や維持管理に利用可能なため,点群からの環境自動認識に関する研究が世界中で行われています.

都市環境に存在する認識すべき物体の中には,都市固有の形状を持つものも多くあります.例えば,ガードレールや柱状物は,デザイン性が高く,都市ごとに大きく形状が異なる場合があります.本研究ではこのような物体を効率よく認識するための基礎としての,点群中の類似物体・部分形状認識を目的としています.近年では,深層学習(ディープラーニング)に基づく物体認識も進んでいますが,高い認識率を得るためには,良質な教師データを莫大な数用意しなければいけません.このような問題を回避できる一つのアプローチとして,類似形状認識に基づく環境認識の実現を目指しています.



手法概要
開発手法は,点群のセグメンテーションと類似形状抽出からなっています.セグメンテーションでは,点の分布や疎密に影響を受けにくい特徴点抽出を行なって,得られた近接する特徴点をまとめることによってセグメント(点の塊)を作ります.ここでできるセグメントは,例えば,(複数の)柱状物やガードレール,窓などを含みます.セグメントが生成されたのちに,ユーザは一つのセグメントを類似形状抽出のキー(クエリ)として選択します.最後に,システムが,点群中から抽出されたセグメントとクエリセグメントとを,局所形状記述子を用いて(部分)マッチングすることにより,類似セグメントを見つけます.



効果
下図は開発したプロトタイプ手法を環境計測点群に適用した例です.同じ建物の窓や市街地環境中の柱状物体を効率よく見つけることがきました.点の疎密や分布の影響を受けにくい特徴抽出法やマッチング方法の確立による抽出精度向上が課題です.

Research


関連論文など
  • 加藤雅志,伊達宏昭,金井理:「レーザ計測点群に対する局所形状特徴量の抽出とその応用―各局所形状特徴量の比較と特徴線生成への応用―」,2017年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集,pp.561-562,2017年3月13日,慶応義塾大学 矢上キャンパス,横浜市
  • 加藤雅志,伊達宏昭,金井理:「市街地レーザ計測点群からの類似形状セグメント抽出」,2018年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集,pp.557-558,2018年3月15日,中央大学 後楽園キャンパス,文京区