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研究室の概要
物理学やエレクトロニクス技術を生命科学や医学の問題に応用し、生命科学・医療の分野において新しいテクノロジーや手法を構築することを目指しています。具体的には、生体内部における特定の分子(フリーラジカルと呼ばれる分子)を可視化する電子常磁性共鳴分子イメージング法の研究を展開しています。これらの研究を通して、工学、物理学、化学、生物医学分野において新しい手法の構築を目指します。
研究内容の紹介
電子常磁性共鳴イメージング/分子イメージングで生体の機能的情を可視化する先端技術を開発します。電子常磁性共鳴分光装置の高速化、高感度化、高分解能化、高安定化のための計測技術を開発し、磁気共鳴イメージング技術の先端を切り拓きます。
高速電子常磁性共鳴イメージング法の開発
不対電子を持つ分子(フリーラジカル)を特異的に画像化する電子常磁性共鳴(EPR)イメージング法を、これまでの10倍高速化する技術を開発しました。均一分布プロジェクション法と高速磁場掃引により、EPRイメージングの高速化を実現します。こうしたイメージングを実現すると、短時間で消滅するフリーラジカル分子の生体内での振る舞いを明らかにすることが可能になり、フリーラジカル分子が関与する疾病や生命現象の解明に貢献することができます。
スーパーレゾリューション電子常磁性共鳴イメージング法の開発
電子常磁性共鳴イメージング法の解像度を格段に改善するスーパーレゾリューション法の開発を行いました。解像度の飛躍的改善により、生体中のフリーラジカル分子の高解像度での可視化が可能になります。電子常磁性共鳴イメージングの画像処理法の新しい展開を目指しました。
同位体フリーラジカル分子の同時イメージング法の開発
薬として働く分子には、物理化学的な特性が同じでも分子を構成する原子のつながり方が鏡で見たように反転しているものがあります。これをキラルな分子と呼び、この特徴をキラリティーと言います。見掛けが同じキラルな分子を、体の中で区別して見えるようにする方法と装置を開発します。区別が難しいキラルな分子に、振る舞いが異なる電子を目印として付けることに研究の特色があります。
研究設備の例
将来に役立つ知識や技術
磁気共鳴分光関連の研究開発の基礎技術
- マイクロ波回路技術
- マイクロ波計測技術
磁気共鳴分子イメージングの研究開発に必要な技術と知識
- 核磁気共鳴/電子スピン共鳴の基礎知識
- 計測制御技術
- 画像最構成法
- 信号処理技術
シミュレーション・解析技術
マイクロ波共振器やマイクロ波分光装置、電子スピンのイメージング実験をモデル化して、計測装置の開発やイメージング法の研究に役立てます。多くは、自分たちで計算コードを書いています。
このようなキーワードに興味がある人は、ぜひ、研究室見学に来てください。
磁気共鳴分子イメージング/フリーラジカル分子/マイクロ波計測/画像最構成/機能的イメージング
メンバー紹介
- 教授:平田 拓
- 准教授 松元 慎吾
- 助教:西村 生哉
- 秘書:1名
- 博士:1名 修士:6名 学部:5名
お問い合わせ
住所:〒060-0814 札幌市北区北14条西9丁目 北海道大学大学院情報 科学研究科M棟
教授 平田 拓 TEL 011-706-6762